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市長の部屋

『再生と創造』

 

turara.jpg  今年の冬は例年になく寒く、30年ぐらい前の冬に逆戻りしたような気がします。初詣三社参りも雪の中、成人式も気温が上がらず、出初式も時雨模様でした。22・23日の「第16回氷の祭典アイスカービングin伊佐」だけは、今年の寒の厳しさが幸いしました。3年前までは2月の第1日曜日にこのイベントをしていましたが、製作や鑑賞に温暖化の影響が出始めていました。数本の氷柱をくっつけて大きな氷像を彫刻するので、氷点下がしばらく続かないとできません。子ども達に人気があるのが50メートルの氷の滑り台です。30分ぐらい待つのは普通のことで、長蛇の列に並ぶのも苦にならないようです。いい思い出になってくれればと毎年続けられてきました。

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 九州でもこのような氷の彫刻や滑り台 の楽しいイベントは少なく、南九州では伊佐市だけなので問い合わせも毎年 多いです。情報が瞬時に何処にでも届くようになったのもインターネットのお陰です。インターネットといえば毎月書いているこの〝ご挨拶〟もお陰さまで少しずつファンが増えつつあります。旧大口市で平成13年頃から始めましたが、その頃は淡々と私論を少なめに書いていたように思います。数少ない「読みましたよ」というお電話や、たまに会う友人が「相変わらずお前の考えは若いときのままで成長していない」とか、個人的な範囲だったような気がします。最近は海外からもメールがくるようになり、時の流れと時代の進むさまを実感します。

 

 

 

  学生時代の友人がジャカルタ生活26年目を迎えました。50年前に大口石井や平原からブラジルに移住した人もいます。アメリカのホテルで私を指導してくれた先輩も65歳になったそうです。私が市長をしていることを知っている方々が海外に沢山暮らしておられる時代になりました。なかなか会えない方々ばかりですが、便利なインターネットにより、まちの様子や私の考えなどお知らせすることができます。海外の日本人に共通するのは、日本という国や日本人についての冷静な評価です。日本は発展し、暮らしも豊かで便利になっているが、日本人らしさやその心を失ったのではないかということです。私が思うに、それは謙虚で質素に暮らし、よく働き、お互い様、お蔭様の心ではないでしょうか。

 

 日本の国がおかしくなり始めてからすでに20年以上の月日が流れたと思います。私は議員や市長をしながらまさにその渦中にいたにもかかわらず、国の衰退を予見できないままここに至ったことを反省しています。過疎からの脱却を信じて、国や県の支援も活用して地域振興に全力を尽くしたつもりです。しかし歴史の本質に気づいていなかったのではないかと思います。明治維新から40年の間隔で歴史は動いています。〝坂の上の雲〟までの40年、太平洋戦争終結までの40年、朝鮮戦争からバブル崩壊までの40年、その後はまだ20年しか過ぎていません。維新後の歴史40年説があるとすれば、次の節目まであと20年はかかるということです。そう考えるとこれからの20年をどのように捉えるかでしょう。

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 2月は議会に提案する予算書の製本作業に入ります。ということは、平成23年度の施策や事業を庁内で議論・調整し、原案が出来上がっていることを意味します。議会審議は3月になりますから具体的なことは書けませんが、基本となる考え方はお話できると思います。伊佐市は合併して3年目を迎え、3月議会に総合振興計画()を提案します。今後10年の市政運営の指針となるものです。23年度のキャッチコピーは『再生と創造』を掲げて市民や議会に施策を訴えていこうと思います。伊佐にはすばらしい資源が沢山あるのに活用が今ひとつです。例えば、美味しい伊佐米や四方の山々の森林資源、障がい者や高齢者の医療・福祉政策、産婦人科や小児科、保育・幼稚園の充実などです。

 

shibusawa.jpg これらの資源をいま一度見直し、光が薄れているものは再生し、輝いているものはさらに磨きをかけ、新しい創造の世界へ導きたいと思います。"One  For  All , All  For  One精神"で、みんなが幸せを感じられる伊佐市をめざそうと思います。私は最近読み直してる本があります。渋沢栄一著(守屋淳⁼訳)の「論語と算盤」です。それに続いて同じく「渋沢百訓」です。これから20年間の自治体のめざすべき姿と、私の生きる指針がそこにありそうな気がします。私だけでなく私たち日本人が「渋沢栄一」という原点に帰ることは、大きな意味があるように思うのです。日本資本主義の父と呼ばれ、国を富ませ、人々を幸せにする目的で事業や人材を育成した偉人ですが、必要以上には儲けない人でもありました。

 

 渋沢栄一の最期を見取るときのお孫さんの回顧録の一文が印象的です。[-中略-ちょうど太陽が西山に後光を残して沈みゆく時に感ずるような、美しい淋しさと大自然への還元というような安心さえ覚えて-後略-」。まさに今のたそがれゆく日本や過疎の進む田舎の風景と重なるのです。92歳で亡くなった偉人からもう一度何かを学ばなければならないと思う如月です。

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  春の訪れはなんといっても第58回鹿児島県下一周市郡対抗駅伝競走大会でしょう。19日から23日までの5日間のピンクの襷にご期待と応援をよろしくお願いします。26日には〝おぎゃー献金〟祈念堂横に建設した「子ども交流支援センター 笑(スマイル)」の開所式・贈呈式を行います。東京では14・15日に有楽町のふるさと情報プラザで、伊佐市の物産販売をします。私も上京し、トップセールスを行います。12日の関東さつま大口会ともどもご来場をお待ちしています。2月は"春遠からじ"ですが、風邪や体調管理にくれぐれも気をつけて梅や水仙を楽

                              しんでください。

 

 

 

                            肥の匂ひ寒に晒して田を起こす
                            日脚伸ぶ歩くいつもの径青む
                            恋すれど堅き蕾や梅二月    -新ー

 

 


2011年02月01日