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市長の部屋

言葉は「命」~The Soul of Japan~

  東日本大震災から4か月になりますが、復旧のスピードが上がらないことに心を痛めています。縁あって南三陸町に職員がお手伝い minamisanriku.JPGに行き、私も528日に訪問して実情を知っているだけに、国の被災地への支援が遅れていることが残念でたまりません。南三陸町のホームページはよく見ることにしています。新着情報をクリックするたびに、町の状況や取組み、町長のお考えがわかります。ホームページを見るたびに志津川地区と歌津地区の地図を思い浮かべています。「まち」を人間に例えると、行政の役割は血液のようなものです。臓器や細胞は血液が循環しなければ機能しないのと同じで、まちの人々の暮らしや経済活動は行政が重要な役割を担っています。

 

hoteiaoi.JPG 地方自治体の運営は、国の政策や地方交付税などの配分によって左右されます。特に過疎化の進む自治体においてはこれらが大きく影響します。被災地には早い復興資金と権限委譲が求められます。大切な ことは早く必要な予算が決まることと、復旧・復興事業に関して首長の権限を強めてあげるこ とです。今急がれるのは、がれきや廃棄物(ゴミ)の処理に加え、仮設 住宅の建設や水道の復旧・移動手段の確保といった生活インフラの整備、収入を得るための仕事の創出を含めた公共事業など、首長を中心とした自治体の判断が重要です。「まち」のことはそこに住む人が一番知っていますし、住み続けるのも、今までそこに住んでいた人たちです。国会が空転し、権力闘争の場になっていることは、与野党とも深く反省してもらいたい。特に与党には大きな責任があるのだから。 

 

 

  エネルギー行政にしても国のしっかりした方針が必要です。首相の思いつきであったとpool.JPGしてもいい政策であれば、党及び閣議決定を経て国会に諮っていけばいいのです。もちろん、経済に与える影響や、実現可能な現実論を踏まえて決める必要があることは言うまでもありません。九州にも2か所の原子力発電 所があります。川内原発は3号機の増設まで決定されています。エネルギー政策を変更するのであれば、議論を深めて早急な決定が望まれます。原子力発電をしばらくの間続けるのであれば、完璧なまでの安全対策が求められます。EPZ(防災対策を重点的に充実すべき範囲)の見直しも当然必要です。

 

 鹿児島県市長会では、「原子力発電所の安全対策を高める緊急決議」が4月20日になされ、5月11日には九州電力鹿児島支店長に決議文を渡しました。長崎県壱岐市で開催された九州市長会でも同様の決議がなされ、国に対し強く要請しました。川内原発の30キロ圏9市町の安全性対策を協議する防災担当職員の初会合が5月31日開催されました。伊佐市・湧水町・霧島市は30キロ圏外ですが参加させてもらいました。国に対し、EPZの範囲を50100キロに広げることをぜひとも要望したいと思います。福島原発事故でわかったことは、風向きによって大きく影響を受ける地域があるということです。

 

maturi.JPG 日本が未だかつて経験したことのない災害ではなく、おそらく長い日本の歴史の中では何回となく繰り返されてきた災害です。水害や台風・地震や津波・火山災害等々いくつも災害を乗り越えてきました。世界で唯一の原子爆弾による被爆国でもあります。今回の東日本大震災は、「地震・津波・原発」による三重苦の大被害になりましたが、日本人のすばらしい国民性を忘れず、全ての英知を結集すれば、乗り越えられないことはないと思います。ただ一つ欠けているのは政治家の高貴な資質でしょう。政治家のずるさを国民が感じ始めたら、どのようなすばらしい言葉も意味を持ちません。言葉は「命」であることを忘れないでほしいと思います。

 

 現在の日本は、「徳川幕府末期に似ている」と言われます。老中筆頭の安部正弘は、今で言えば総理大臣に相当するでしょう。安政の大地震(1855年)もその頃起きています。政治家はそれぞれ幕末から明治維新にかけての人物に、自分を重ねているのではないでしょうか・・・無意味なことです。私は言いたい、「新渡戸稲造の『BUSHIDO : The Soul of Japan』を読み直してほしい。新渡戸は安部正弘が亡くなって5年後に生まれ、武士であったのは僅か6年間だけだ。〝Noblesse Oblige 〟高貴な者に伴う義務を今一度政治家の方々は真剣に考えてほしい。」と。

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 私自身も政治家のひとりとして反省しながらの日々ですが、6月議会で災害対策や原発の安全性への質問が出され、それに対する答えも含んだ今月の挨拶になりました。梅雨が明け夏本番ですが、これ以上、雨や台風による被害が出ないことを願っています。夏休みに入るまではそれほど大きなイベントはありませんが、2日に隠岐郡海士町教育委員会の岩本悠さんの「人づくり・まちづくり」に関する講演が菱刈環境改善センターで10時からあります。月末の30日は「伊佐市夏祭り」、同日、伊佐市文化会館では環境問題に取り組む登山家で有名な野口健さんの講演もあります。今月は行事等については詳しく紹介しませんでしたので、伊佐市のホームページ等で新着の情報をチェックしてください。暑中お見舞いの気持ちをお届けしながらの挨拶といたします。

 

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    青々と肺の底まで青田風

     噴水に遊ぶ親子の夏休み

     霊峰に劣ることなき雲の峰

     学生街風鈴だけの喫茶店

     宵祭り遅き灯りの灯るころ        -新-


2011年07月01日