2022年08月29日

「田の字の中に田の字あり。」

最近の新築では、農家住宅におけるいわゆる「田の字型」の間取りを採用されることは少なくなっているように感じます。

とはいいつつも、新築プランの中にも、田の字コンセプトを謳われているものがあります。　
障子や襖などの建具だけで仕切られた農家住宅における田の字とは異なり、壁やドア、廊下、トイレなどを総合的に田の字に配置するといった派生形のようです。

新旧の田の字型を比較しようにもケースバイケースで優劣は変わるし、住む人のライフスタイルによってどちらがフィットするかは違ってきますので、そこは個人のお好みにお任せしてきますが、「古い方」の田の字型に住んでいる実体験に基づく感想を少しだけ。

古い方の田の字型は、文字通り４つの部屋が田の字状に配置されており、障子や襖などの建具を外すと、巨大な一つの空間になります。

先人の知恵で、夏の蒸し暑さを解消するために換気をし易くし、また、冠婚葬祭を自宅で執り行う際に、人が集い易く設計されているんだと思います。

しかしながら、結婚式やお葬式を家で行うことが少なくなり、また、個人のパーソナルスペースが重要視されがちな現代の生活様式にマッチしない部分が出てきているのも確かなことですが、その中でも“古い方の田の字型”にもメリットを感じる部分がたくさんあるんです。

例えば、通気の良さ。
開放感のある風の抜けは、日々の生活エネルギーの循環に繋がりますし、感染症対策における換気、そして、空き家となった際の自動換気（隙間頼りですが・・・）にも期待が持てます。
何より、部屋の区切りが少ないので窓を一つ開けるごとに、スーぅっと、換気がなめらかに進みますよーー！

また、子育てをする中で気づくことも。
障子や襖という昔ながらの建具一つで仕切られただけの遮断であるからこそ、察しと思いやり精神が身に付くような気がします。
子どもの成長を感じたふとした瞬間がありまして、家族が隣の部屋で寝ているとき、話す声を小さくしたり、物音もなるべく立てないようにしたりと自然と思いやり行動ができるようになっていたんです。
小さいことのようだけど、相手のことを推測りながら共生していくという意味では、これからの時代を生きる上でものすごく大事な能力のような気がします。

部屋数が少なくとも仕切りが少ない田の字型の住宅だからこそ得られるメリットも多分にあるように感じます。

満員電車内の０距離においてもプライベートを確保できるのだから、察しと思いやりが備わっていれば、過剰に物理的遮断をする必要ないのかもしれません。

 

さて、今回ご紹介する物件は、田んぼの中にあって田んぼのような間取りをした農家住宅。
田の字in田の字の生活がここに待っていますよ〜。

 

玄関はオーソドックスでいてちょうどいいサイズ感。
上がり框が腰掛けに良さそうな高さでいて、風貌が可愛らしい。

 

玄関を上がると田の字型の部屋たちがお出迎え。
建具を取っ払えば、大空間の出来上がり。

 

欄間がワンクッションとなって、まるで間接照明かのような奥ゆかしくも優しい光量。

 

しっかりと和の意匠も楽しめます。

 

掘り炬燵は、足の放り込み先として重宝。
生活感がまだまだたっぷり残ってますが、おばあちゃん家に行ったような気がしてそれもまた一興。

 

キッチンは採光が良く、コンパクトでいて昔ながらのレトロな雰囲気。

 

トイレは汲取式です。
バイオトイレに改造するという選択肢も外せません！！

 

最早、男子の憧れ小便器！（諸説あり）
稀少な逸品です。

 

お風呂には、外からだって直接アクセスできます。

 

レンガの感じがカッコいいですよね。。。
焚き物が躍動します。

 

薪風呂って体が芯からあったまって気持ちいいですよね〜。
電気やガスでは得られない、一手間かけるからこその贅沢です。
灯油式ボイラーが併用できることも嬉しい。（ボイラーの動作確認については要確認です。）

 

実はこの物件、プチ土間があるんです。
気持ちのいいセカンド玄関に灯油置き場、子どもの乗り物駐輪場など、何かと生活に役立つ存在ですよね。

 

手前に見える入り口がプチ土間で、その先に見える入り口が玄関です。

 

こじんまりとした庭は、手入れをすれば小菜園も可能でしょう。

 

コンパクトな倉庫もついてきます。
ちょっとした農機具や草払機などを収納できますね。

 

田の字型の間取りで察しと思いやりを育み、開放感たっぷりのロケーションの中で四季の移ろいを肌で感じる生活も悪くはないかもしれません。

 

※右上にある英字をクリックするごとに「Fisheye」→「Planet」→「Ball」→「Normal」と画角が変わります。「Normal」がおススメです。画面をクリックしながら上下左右に動かすことで全方位の画像を見ることができます。

                  

 

間取図

登録台帳

登録番号	140		分類	売却	価格	350万円
所在地	伊佐市大口鳥巣		契約種別	不動産会社媒介	建築時期	S42
物件の概要	面積				構造
	建物	住宅	80.5㎡		木造
	空き家になった時期		–
	増改築歴		S 57増築
	家財有無		有
	間取り	1F	４K
設備等状況	電気	引込済	ガス	プロパン	風呂	灯油、薪
	水道	上水道	下水道	–	トイレ	汲取
	車庫	無	庭	有	物置	有
	面積	257.64㎡	農地	有	駐車場	有
	その他
主要な施設等までの距離		市役所まで2.6km、警察署まで2.1km、保育所まで1.9km、小学校まで2.0km、中学校まで3.3km、高校まで2.7km、病院まで1.9km、スーパーまで1.9km
特記事項

内覧の前に・・・

伊佐市の空き家バンクでは、社会的に負の遺産と捉えられることが多くなってきている“空き家”に光を当てて、独自の視点により物件の魅力をご紹介することで、情報発信をするお手伝いをしております。
市の役割等についてこちらをご一読ください

空き家はあくまでも中古住宅であり、新築のように完璧な状態であることはほとんどありません。
内覧やご購入をされるに当たっては、物件の詳細情報等について、担当する不動産業者やオーナーさんによく確認いただき、納得された上でご検討いただきますようお願いいたします。

【確認項目の一例】
・雨漏りの有無について
・シロアリ被害がないかどうかについて
・地下水や山水が付いてくる物件である場合、希望する利用用途を満たす水質かどうかについて（厚生労働省の案内）
・境界のことや敷地特有のことなど、近隣との関係性について
・自然豊かであるがゆえ、虫や動物が出ます・・・

などなど、拾い上げるときりがありませんが、「こんなはずでは無かった・・・」のギャップを少しでも減らせるように、事前に確認できることはしておくことが大事になります。

媒介業者

株式会社タケシタ

• TEL0995-28-8778