【Jターン/地域おこし協力隊OG /起業】中村由佳さん(46)心と体を大切にする暮らし。

2025年01月07日

【Jターン/地域おこし協力隊OG /起業】中村由佳さん(46)心と体を大切にする暮らし。

2018年3月、東京から伊佐に移住した中村由佳さん(46)。二人のお子さんと伊佐で暮らす中村さんは、伊佐市初の地域おこし協力隊として3年間活動されました。

今回も筆を取りますのは、地域おこし協力隊の田中久美子です。(以後、田中)

移住の先輩・協力隊の先輩である中村さんに、伊佐移住のあれこれを伺っていきたいと思います!

 

どんなお仕事をしていますか?

【中村】「体を元気にする」をテーマに鍼灸マッサージをしたり、薬草ワークショップや味噌だま作りのワークショップをしています。

【田中】中村さんは伊佐の地域おこし協力隊・第1号ですが、協力隊期間も今のお仕事にまつわるミッションをされていたんでしょうか?

【中村】協力隊としてのミッションは「地域ぐるみの子育て支援の研究」で、今のお仕事とは別のものでした。協力隊3年間の活動を通して、伊佐のいろんな方と繋がりたい・伊佐のことを学びたいと思っていたので、協力隊期間は鍼灸のお仕事はお休みしていました。

▲お客様宅へ出向くことも

 

【中村】もともと関東で起業して、自宅で鍼灸師としてお仕事をしていました。でも当時は自分のモチベーションを保つのが難しくて、続けられなかったんですよね。けれど当時の教訓が今に生きていて、自分のテンションが下がらないバランスを保ちながらお仕事できています!

【田中】「伊佐」という場所からの影響もあったりしますか?

【中村】伊佐に来たからこそ、お灸の良さがわかったって言う側面はあります。東京にいるときは私がお客さんをよくしなきゃって思いながら、自分も疲れていて。これじゃいけない、って思っていました。

自分自身をケアする方法を、協力隊としての3年間の間に、考えつつ実践したりした結果わかったことは、「私が治すんじゃなくて自然に任せる」。

「川の流れが淀んでいたら、引っかかってる枝をとる」みたいなシンプルなことで、きっかけを与えるのが自分の役割なんだなって思いました。

それに気づけたのは伊佐の自然があったからだし、協力隊の仲間やいろんな人と出会って話して、いろんな場所を訪れて。ワークショップで自分から発信したりすることで新しい情報が集まってきて、いろんな幅が広がって今のスタイルに行き着くことができたと思っています。

▲よもぎワークショップの一コマ

 

移住のキッカケを教えてください

【中】地方移住を考えるきっかけの一つは、東日本大震災です。

「自分のものは自分たちで作れるようになりたい」と考えるようになり、自宅のベランダで自家菜園に挑戦してみたけど、どうも上手くいかなかった。

なら野草はどうだろう?と思って、野草を楽しむイベントに参加するために栃木まで足を運んだこともありました。栃木で見た野草は美味しそうだったけど、当時暮らしていた東京に戻ってきて野草を見てみたら、あまり美味しそうに見えなかったりして。

子どもと芋掘り体験をするにも、電車やバスを乗り継いで大きなリュックを背負って2時間以上かけて目的地まで行かないと行けなかったので、いろんな体験活動のできる田舎で子育てしてみたいなって、考えるようになりました。

 

移住先を伊佐にしたのはどうしてですか?他に候補はありましたか?

【中村】実家の鹿児島市から、車で90分圏内で探していました。

祖母は知覧のとある地区に暮らしているんですが、実家と祖母の家の中間くらいの規模の町に住みたいなと思っていて、東京の日本橋にある移住交流センターに相談に行きました。

【田中】鹿児島市から車で90分以内となると、伊佐市以外にも該当する市町村がありそうですが、どうして伊佐だったんですか?

【中村】「働き方」と、「募集要項のわかりやすさ」が一つの理由です。

私は鍼師の資格を持っていますが、当時は移住先でいきなり開業をするイメージは持てずにいて。

住まいや仕事をサポートしてもらえるような制度を調べていたら、地域おこし協力隊という働き方があることを知り、条件に当てはまる市町村の中で募集要項が一番丁寧に書かれているの伊佐に惹かれました。

【田中】募集要項以外にも、伊佐が気になった理由があるんですよね?

【中村】当時の移住者向けパンフレット「ココガイ〜サ」に掲載されていた、先輩移住者・小野さんのインタビューがすごく印象に残っています。「伊佐には、同じようなことを思っている同世代のお母さんがいる」ってことが知れて、嬉しくなりました。

▲小野さんインタビュー掲載の「ココガイ〜サ」

 

移住してよかったことは?

【中村】いっぱいありますよ〜!!

野菜が美味しい。水も米も美味しい。こどもたちがすごい食べるから、お米の消費量が増えました。笑 「美味しい」っていう感動があるの、幸せですよね。

学校で、芋掘りからご飯を作って食べるまでを学べることも嬉しいです。

野草が美味しそうだし、自分の家の庭で野草取り放題でしょ。よもぎ、たんぽぽ、露草、野菜も取れちゃうし。

 

天体ショーも沢山みられます。
季節によって太陽の軌道が違うことを感じられるし、朝夕の景色が綺麗。
夕日が綺麗だからこそ夕日でふざけた写真が撮れちゃうし。

▲山間部だからこそ虹の出現・多

▲観光農園(ブルーベリー、梨、葡萄など)

 

移住して驚いたことはありますか?

【中村】子どもたちを自然の中で遊ばせたい!と思っていたけど、都会の整備された自然とは違って、危険も伴うことを知りました。自然で遊ばせる際には、親の覚悟も必要だと感じています。

それでも、「なんかせんなら!(行動しよう!)地域のために、子どもたちのために!」と動いてくださる方が沢山いて。自然に触れ合う機会や、都会ではできない体験を子どもたちにさせてくれて、本当にありがたいです!

【田中】これまでどんなことを体験してきましたか?

【中村】川あそびや、川内川ティラピア釣り、伊佐の土でお茶碗作りしたり。
ふくれがしや豚みそづくり。茶道・花道。学校やコミュニティで田植えしたり、史跡のお掃除もありました。

▲漁協主催のティラピア釣り

 

【中村】田中校区で開催されていた「こすもす祭り」も楽しかったなぁ。新米のつかみ取りや宝さがしゲーム、重機に乗れたりするんですよ!移住前だったら大行列で、体験するのにも一苦労だったと思います。

コミュニティ毎に夏祭りがあるし、毎年開催されている「子ども祭り」では段ボールで作られた巨大迷路で遊べたり、保護者向けの相談コーナーも用意されています。

【田中】子育て世代にとって、嬉しいポイントですね!

【中村】子育て支援センターの存在も心強いと思います。

子育てって、親へのケアもとても大事だから、月齢・年齢に応じた悩みを共有できる場があることへの安心感があります。

先生たちがお母さん一人一人のことをしっかりわかってくれていて、親戚くらいの距離感で接してくれたり、サポートしてくださるのも嬉しかったです。

伊佐市には子育て支援センターが2つあり、伊佐のブログ「イサタン」に紹介記事を書いていますので、よければご覧ください。

伊佐市大口子育て支援センター「ルピナス」

伊佐市菱刈子育て支援センター「まむさるーん」

▲じいちゃんばあちゃんと鳥神岡登り

 

伊佐の好きなところを教えてください

【中村】たくさんありますよ〜!

四季を感じられること。
太陽の軌道が違うことや、季節によって聴こえてくる鳥の鳴き声が違うこと。

春の始まりを告げる花は桜じゃなくて、1月の終わりから2月にかけて色んな花が咲き始めて、桜の咲く頃はグランドフィナーレなんだって知ることができ
たこと。

上手に鳴けないウグイスがいて、
だんだん鳴くのが上手になっていくこと。笑
あとね、子どもが風の音を真似するんですよ!

【田中】風の音を真似する!?どういうことですか?

【中村】子どもって大人よりも耳がいいっていうでしょう。私たちより、たくさんの音が聴こえている。

伊佐で暮らしてから、子どもが風の音を真似するようになったんです。「ヒュウー」って。都会では聴こえていなかった音を、伊佐で感じているんだなって嬉しくなったんです。

【田中】なんて素敵なエピソード・・!私たち以上に、子どもたちが感じ取るものってきっとたくさんあるんでしょうね。

【中村】本当にそう!子どもを通して、自分が知ることも沢山あるんですよね。

▲南永小学校の天体望遠鏡

▲魔球⁉️

 

地域おこし協力隊、やってみてどうでしたか?

【中】協力隊になったおかげて、色んなところに行けて色んな方と出会えたと思います。

協力隊の活動中に校区ごとの特色をまとめた「校区マップ」を作成しました。

▲中村さんが作成した校区マップ(全15校区分)

 

校区マップ作りを通じて、伊佐のあちこちを訪れました。訪れる先のキレイな風景を写真におさめながら、自分でも「こんな場所があったんだ!」って感動したり。

誰かの「好き!」のインタビューを聞いて、その場所を訪れることもすごく楽しかったです。

協力隊活動期間中は、市役所の方たちがあたたかく見守ってくれていていました。忙しい中でも手を止めて相談に乗ってくださったり、本当にたくさん協力をいただきました。

市役所の方にも地域の方にも、人生でこんなにたくさんの人にサポートしてもらえることなんてないな、と思います。

協力隊があったからこそ、私がどんな人かというのも知ってもらうことができました。
鍼灸師という仕事はお客様の体に触れる分「施術者がどんな人か」を知っているかどうか、というのも大切なポイントなんです。

協力隊期間があったからこそ、今のお仕事につながっていると感じるし、協力隊期間を過ごすことができたのは、たくさんの方に支えていただいたからこそです。

協力隊になったことで、今までの自分では出会うことができなかった人と繋がれて、それが今につながっています。だから、協力隊をして本当によかったと感じています。

▲階段作りに参加中の中村さん

 

今挑戦していること、これから挑戦したいことは?

【中】ゆとりを持って、こどもたちの成長を楽しんでいきたいです。

お仕事は引き続き、「カラダを元気にするお手伝い」をテーマにしつつも、自分の気持ちを大切に。自分がやりたいように、したいように暮らしていきたいです。

これからも、季節の移ろいや恵みを楽しみながら暮らしていくことが目標です♪

 

移住に際して、利用した補助金はありますか?

【中村】特にありません!

中村由佳さん、ご協力ありがとうございました。
引き続き素敵な伊佐ライフを満喫してください!

ページトップへ

鹿児島県伊佐市役所 地域振興課 コミュニティ活力推進係
TEL:0995-29-4113 FAX:0995-22-9420
Mail:commu@cityaaa.isa.lg.jp

  • かごしまで暮らす
  • 伊佐市ホームページ