心を癒す時間を持ってほしい。里山への想い

2023年11月21日

心を癒す時間を持ってほしい。里山への想い

 

バサバサバサッ! 

鳥たちが飛び立つ大きな音が森に響き渡ります。 

伊佐市大口針持地区に、木々や動物、虫たちをすぐ近くに感じることができる豊かな森があります。 

 

その名は「里山ガーデン しいのきの森」。 

造園業を営む二之形 一秋(にのかた かずあき)さんが家族や仲間と共に作った里山です。 

 

「しいのきの森」の始まりは2010年。 

 

「伊佐には海がないから、山を増やそう、緑を増やそうと思った。水の大切さや木の大切さを子どもたちに現場で伝えたい。」 

観光地も数えるほどの伊佐で、何か地域おこしとなることはできないかと考えた二之形さん。 

 

「じいちゃん、ばあちゃんも枝を切ったり、田畑を耕して働き、里山と共に子どもたちを育ててきた想いがある。その風景を残していきたい。私が取り組んでみようと思った。」 

 

「夫婦で、親子で、できることをやろう。」 

そうして家族で竹山や檜の山を切り拓き里山作りを始めたのだそうです。 

 

当初、家族3人で始めた里山作り。 

2014年に仲間を集め、里山の保全活動や子どもたちへの教育を目的とした NPO法人を設立、2015年6月に「里山ガーデン しいのきの森」がオープンしました。 

 

国有林と民有林を遊歩道で繋いだ広大なガーデンは約2kmの里山ウォーキングを楽しむことができます。年間を通して季節の彩りを感じることができる様々な木々、植えられている花木は2000本に及びます。 

里山を歩いていると風の音が心地よく、鳥たちがさえずり、川のせせらぎの音が聞こえてきます。 

 

2014年に設立したNPO法人は仲間の高齢化が進み、現在は解散しましたが、二之形さんは家族で里山作りを始めた時と同じように森を育み続けています。 

 

新しい花木を植えたり、枯れている木が倒れてこないよう切ったり、訪れた人たちが歩きやすいよう遊歩道の枝をよけたり、水で流された小川の石を整理したり…造園業の傍ら、里山の管理をするのは決して楽なことではありません。 

 

しかし、二之形さんご夫妻はにこにこと優しい笑顔です。 

「自分ができることをやる。」 と言う一秋さん。 

 

“置かれた場所で咲きなさい”という言葉を大切にしているというミチ子さんは「この仕事が好きなの。こんな青空の下で暮らすことができてとても幸せ。」と嬉しそうに話します。 

森の花木について説明をしてくださるときも、本当に木々や花々が大好きなのだなということが伝わってきます。 

 

「やるからには、よかとこじゃったが!(いい場所だった!)と言ってもらえるような場所にしたい。精一杯やりたい。5年でも10年でも続ける。意地でもやらんと!」 

そんな想いを持っている二之形さんだからこそ、ここに美しい里山が生きています。 

 

「色々な社会問題が起き、殺伐とした時代になった。デジタル化も経済も大事だけれど、心の豊かさを育むということが欠けてきているように感じる。忙しい社会の中で心を癒す時間を持ってほしい。」 

「時には親子で梅干しを入れたおにぎりどん握って、ここでご飯を食べたらよか!」

これが二ノ形さんが里山を通して伝えたいメッセージです。

 

花が咲く季節はもちろん、落ち葉が溢れる冬も森の豊かさに心が癒されます。 

1度だけではなく、2度、3度、何度でも。 

季節の移り変わりと自然の美しさを感じることができるこの森には心地いい癒しと優しさが詰まっています。

 

 

▼里山ガーデン しいのきの森

 住所:鹿児島県伊佐市大口針持3770-1

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