【Uターン/起業】「伊佐に戻ろう」故郷の柚子と共に農業を楽しむ。

2019年08月19日

「伊佐に戻ろう」故郷の柚子と共に農業を楽しむ。

内村之重さんは、山野地区出身。山野は伊佐市の北側に位置する地区で、かつては布計(ふけ)金山と呼ばれる金の鉱脈があり、明治から昭和にかけてのおよそ70年間、金の採鉱が行われていました。パノラマに広がる山々と田畑を見渡し、時折吹く風が頰をなでる。緑豊かな所に内村さんの自宅があります。
50歳の時に、27年間のサラリーマン生活を切り上げ、妻のひとみさんと一緒にUターン移住しました。内村さんの父親が残したユズ畑を活かしてユズの加工品、ハチミツなどを生産しています。帰郷して今年で16年目。お話を聞きました。

故郷に戻ることはいつから考えていましたか

父親がユズを育て青果として販売していました。最初の苗木は徳島まで父親と買い付けに行ったので、もともと、ユズにとても愛着があります。
「若い時は、あちこちに行って見てきなさい」と父親も言っており、サラリーマンとしての生き方を存分に味わいました。が、農産物を材料に起業することはずっと考えていました。仕事は転勤が多く、九州と東京を転々とし、なかでも東京勤務が長かったです。いろんな所を見て、感じて、ピン!と来る場所が見つかれば永住しようと思っていましたが、結局、見つかりませんでした。このまま会社員を続けていても定年後のビジョンは見えない。「伊佐に戻ろう」と決断しました。
思い返せば、当時から起業するための素材集めをしていましたね。

長期の下準備でしたね

60代になると体力的にきつくなるだろうと思い、Uターン後、最初の数年間は収入が無くてもいいという覚悟で臨み、少しずつ軌道に乗せていこうと思っていました。ちょうど下の息子も手が離れたこともあり、今だろうというタイミングでした。父親と一緒に仕事をしたかったのですが、残念ながらそれは叶わず。けれど父の残したユズの木を活かすため様々な試行錯誤を始めました。

Uターン後はどのように農業を初めたのですか

1年間は伊佐農業公社の研修(内村さんは研修の1期生です)を受け、講義や実技指導を学びました。その後、すぐにユズの加工に取り掛かりました。ありがたいことに、人脈に不自由を感じることはありませんでした。知り合いが多いのも大きかったです。

ユズの収穫は大変ですか

収穫作業は地味ですよ。しかもユズの木にはトゲが多く、切り取るのはなかなかに気を使う作業です。ユズの皮にトゲが当たると綺麗なユズもすぐに傷んでしまいます。そうするとユズも自分の腕もギザギザになります(苦笑)。
ユズの旬は冬至の頃です。それに間に合わせるように収穫していました。青果としては、期間限定販売になるので、捨てることも多く勿体ないこともあり加工生産を行なっています。

▲8月の青ユズ。よーく見ると枝にトゲトゲが。これは刺さると痛いです…

ゆずこしょうについて教えてください

起業したのが丁度、ゆずこしょうが流行り始めた時だったんです。初めてのゆずこしょうは、すり鉢で作りました。味見したらこれが美味しくて!ゆずこしょうの研究をするため福岡、大分などに行きましたが、味の追求をするのは正直、難しいです。大量生産をすることも大事ですが、どうせ作るなら皆んなで楽しく作りたいと思い、ワークショップ「ゆず胡幼稚園」を始めました。父親が営んでいた幼稚園の建物が作業場です。
9月下旬から11月上旬にかけて行なってます。11チーム参加で無理のないペースで開催しています。

はちみつも生産していますね

Uターンの時点では全く候補になっていなくて、そのあと大金星になり、現在、最もハマっているのが日本ミツバチの飼育です。その巣板は洋バチに比べて柔らかく形も様々で、採蜜は何倍も手間がかかりますが、分離器にかけるよりじっくり時間をかけて垂らした方が良質の蜜が取れます。垂らす場所もいろいろ探しました。発見したのは車の中です。特に軽トラの中は狭くて暖かいし、アリも来ないので最高ですね(笑)。商品名、ラベルデザインも試行錯誤を繰り返しながらリニューアルしています。

▲内村さんのノウハウが詰まった加工品。ふるさと納税の返礼品にもなっています。

農業は体力勝負ですが、何か体力作りはしていますか

25歳の時に空手を始めました。Uターン後も千葉県の九十九里浜での恒例の夏合宿に参加していましたが、台風接近の影響で予定通り自宅に戻れなかったことがありました。自然の力には手の施しようがありませんよね。そうすると自宅の台風への備えが充分に行き届かないことになってしまうので、それ以降は中断してます。
マラソンは30歳の時から始め、東京に住んでいる時はホノルルマラソンに参加したこともあります。伊佐でもランニングをしていましたが、いかにも!なトレーニングをしていると、とても目立つので。

歩く人が少ない車社会の田舎あるあるですね

リュックに重りを忍ばせてのインターバル速歩で、さりげなくトレーニングしています。(笑)

今後のプランを教えてください

60代になりました。当初の読み通り、体力的にキツくなっています。以前は「自分探し」を掲げて幅広く行なっていましたが、これからは今までの経験を活かし、人との会話などからヒントをもらいながら、細く長く続ける方法を探します。

飽くなき探究心はまだまだ続きますね

「手土産に丁度いいサイズのはちみつがあれば嬉しい」と要望があったので思案中です。また、蜜の搾りかすから蜜蝋を取り出し蝋細工も面白いんじゃないかと考えています。それをワークショップ形式で行えば、皆んなで楽しく作れますよね。好きな香りを持ち寄ってなんていうのもいいですね。

Uターンを考えている人へメッセージをお願いします

まずは、自分がやりたい事をハッキリ決めてから決断することが大切です。けれど、決めた事が思い通りに行かない場合も多々あります。矛盾しているように聞こえるかも知れませんが、柔軟に対処しようとする感覚が必要だと思います。それから、移住当初は張り切ります。テンションが高く肩に力が入ります。故郷とはいえ、離れた期間が長いと周囲と意見が合わないことも少なからずあります。新しい風を吹かせているつもりはなくても、そう見られがちです。そもそも皆んなそれぞれ感覚は多少は違うんです。違うことを割り切って、楽しんで暮らしていきましょう。

▲生き生きと語る之重さんを優しく見つめる妻のひとみさん「私はついていくだけだから」自然と笑顔がこぼれていました

ゆずこしょうワークショップ情報、商品の購入などはこちらのホームページからどうぞ。

わくわくランド うーちー村

ページトップへ

鹿児島県伊佐市役所 企画政策課 政策調整係
TEL:0995-23-1311 FAX:0995-22-5344
Mail:seisaku@city.isa.lg.jp

  • かごしまで暮らす
  • 伊佐市ホームページ