この一年に“感謝”
2019年11月29日
干支「猪」の絵が印刷されたカレンダーの表紙をめくったのはつい昨日のようですが、厚みのあったカレンダーもいよいよ最後の一枚となりました。師も走るほど忙しいので師走と、まるでおやじギャグですが、僧侶が檀家を回り、お経をあげるのに忙しいので師走と聞いたこともあります。間違っているかもしれませんが、毎週土曜日に菩提寺の浄光寺へ行きお水と線香の供えを習慣にしている私にとっては、一年の締めくくりとしての感謝の気持ちがわかるような気がします。浄光寺のほかに12ヶ所の田の神様や水神様をはじめ神社など、それぞれに新しい御幣(竹に挿した白折り紙)をそろそろ準備しなければなりません。
今年を振り返ると、平成の世から令和の世に代わったことが最も大きな出来事でありました。‘令和’は‘大化’以来248番目の元号になり、あらためて日本という国の成り立ちを学びなおす機会にもなりました。また、同じように日本という国を実感したのはラグビーワールドカップ日本大会でした。国のために戦うということの大切さを日本代表のワンチームというスピリットに教えられました。日本チームだけでなくどこの国・地域の代表チームも同じような精神であったと思います。日本人は戦うという言葉に戦争トラウマがあり、それを必要以上にいろんな活動や事象に関連付けて、国を守ることさえも他国に委ねているように感じます。
ラグビーの試合前にニュージーランドやサモア等の洗練された「ハカ」を見ていると、まさに戦いの前の祈りであり、己を鼓舞する儀式であります。日本代表「ブレイブ・ブロッサムズ」には多数の外国人もいますが、しっかりと全選手・スタッフが国歌「君が代」を歌い、ビクトリーロードでモチベーションを高め一体感を作り上げていました。日本のために戦うとはっきり答える彼らの言葉こそ、学校で国歌「君が代」をまともに歌わなかった戦後世代の日本人に警鐘を鳴らしているようで、「♪さざれ~石の~・・」の歌詞の意味を分からない日本人が多いのではなかろうかとさえ思いながら、日本チームに拍手を贈ることでした。ラグビーの試合をテレビで観戦していると、かつては名門高校として名を馳せた大口高校が花園に出場した9回の姿と重なりました。
今年の伊佐は、夏の期間に湯之尾の菱刈カヌー競技場で高校総体カヌー大会などを行ない来年開催する鹿児島国体の運営準備をすることができました。昨年は川内川流域の稲作ができなくて残念な思いをしましたが、今年はすべての地域で稲作が行われ、伊佐米のブランド力を取り戻すことができたのではないかと思っています。畜産農家の生産牛の子牛については、この数年の高値相場が今年も維持されていますので、今後の農家の経営についても明るい予測をしています。行政の大きな取り組みとして、今年は4年後を目途とする新庁舎建設の基本構想策定から市民ワークショップへと進めてまいりました。来月にはそれを取りまとめて基本計画策定へと引き継いでまいります。
今月のイベント等の予定についてお知らせします。文化会館大ホールにて「じんけんフェスタ」を1日(日)の12時50分より行ないます。その講師として蓮池薫様にお願いしてあります。事前に市報やホームページ等でお知らせしましたので、多くの皆様方のご来場をお待ちしています。同じく講演になりますが、7日(土)14時、ふれあいセンターで梛木春幸様に「世界に誇れる伊佐の食文化」と題してお話しいただきます。梛木様は伊佐御膳に代表されるように、伊佐市内の料理人や商工会などの研修にご尽力いただいています。
公演につきましては、演劇集団非常口の公演「じゃじゃ馬と丙午」を7・8日(土・日)、文化会館でご覧いただけます。素晴らしい活動を続けている‘いさのおんがくたい’企画の催しは、「いさ吹奏楽団」を招いて15日(日)文化会館での演奏会です。クリスマスおはなし会は21日(土)に、ふれあいセンターと菱刈ふるさといきがいセンターの2ヶ所であります。親子でのご参加は心温まるクリスマスプレゼントになることと思います。年末の恒例イベントになりました、伊佐の若者たちによる‘ちむどん’の舞台公演「鬼武蔵」は22日(日)文化会館大ホールで行われます。ぜひとも頑張っている若者たちへ応援をしていただきたいと思います。
何かと忙しい師走ですが文化的なことを主に紹介しました。スポーツについては、第12回ふれあい駅伝競走大会が1日の10時に菱刈環境改善センター前をスターします。南日本10㎞通信競技大会を兼ねた伊佐地区ロードレース大会が、8日午前中に陸上競技場周辺で行われます。年末の27日は、湯之尾の菱刈カヌー競技場に西日本各地から選手が集まり合宿が行われます。
先月27日に招集された12月市議会や一部事務組合議会を終えて仕事納めとなり、令和元年の大晦日を迎えることになります。今年も皆様のお陰で年末を無事に迎えることができることに感謝申し上げます。忘年会やクリスマスなど賑わう機会が多いと思います。風邪やインフルエンザの流行る季節になりますので、健康管理にくれぐれも気をつけて、良い年をお迎えください。
笛太鼓続く神舞の夜は更けて
松明に神舞花舞幼な巫女
四方払い荒神神楽年納め
母と娘の絆も強し聖夜かな
ポインセチヤ遠き青春喫茶店
またひとり会えぬ友あり除夜の鐘 -新鶏ー
- こんな時には?