高齢者や認知症のある方の消費者トラブルを防ぎましょう
2025年11月14日
消費生活相談において、高齢者や認知症のある方が悪質商法の被害に遭うケースが後を絶ちません。その背景には、悪質業者が相手の判断能力の衰えに乗じて、次々と新たな手口で言葉巧みに、あるいは強引に勧誘を行うことなどが考えられます。
1 高齢者(認知症のある方)の消費者被害の特徴
〔特徴1〕だまされたことに気づきにくい
「私はだまされたことがない」という高齢者(認知症のある方)でも、よく話を聞いてみると、高額な契約や必要のない契約をさせられている場合があります。悪質業者はとても優しく親切で、話し相手にもなってくれるので、自分がだまされていることに気づかない方が多くいます。
〔特徴2〕被害に遭っても誰にも相談しない
自分が被害に遭ったと気づいても、自らを責めたり、被害に遭ったことを恥ずかしく思い、誰にも相談できず、悩みを一人で抱え込んでしまう方が多くいます。また、悪質業者が、誰にも言わないように口止めするケースもあります。
2 声かけのポイント
だまされていると決めつけたり、一方的に問い質すのではなく、高齢者(認知症のある方)の意思を尊重しながら話をすることが大切です。
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【声かけの例】 □ どうされましたか? □ お困りのことはありませんか? □ 何かあったら、いつでも言ってくださいね。 □ 私の自宅にも電話がかかってきたんですよ。 □ 最近は、〇〇の被害が多いそうですよ。 □ 私がそばにいるので、消費生活センターに電話をしてみませんか? |
【言っちゃダメ! 高齢者を追い込むNGワード&言い換え】
✖だまされているんですよ ⇒ 〇本当に信用できますか?
✖あなたは被害者なんだから ⇒ 〇誰にでも起き得ることですよ。心配ないで
✖お子さんに相談したら? ⇒ 〇身近に相談できる人はいますか?
✖勉強代と思って、水に流しましょう ⇒ 〇解決方法を一緒に考えましょう
✖近所の人にも話しておきますね ⇒ 〇問題解決に必要な人にだけ話してもいいですか?
※成年後見制度
認知症のある方の消費者トラブルが増加する中、成年後見制度は、判断能力が低下した人を法律的に支援する制度です。成年後見人が本人を代理して契約を結んだり、本人が同意しない不利益な契約を取り消したりすることで、トラブルから保護します。成年後見制度の利用は、家庭裁判所への申し立てが必要です。
~成年後見制度とは~
(目的)認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な人の権利を守り、法律的に支援する制度です。
(役割)家庭裁判所が選任した成年後見人が、本人を代理して契約を結んだり、本人が不利益な契約を後から取り消したりします。
(具体例)日用品購入以外の売買契約など、日常生活に必要な範囲を超える契約を本人に代わって取り消すことができます。
~利用するメリット~
(契約トラブルの防止)悪質な業者からの不当な勧誘や契約から本人を守ることができます。
(法律行為の代行)本人に代わって、介護契約や施設入所契約などの法的手続きを行うことができます。
(財産管理)財産が不正に利用されるのを防ぎ、適切に管理することができます。
…注意点とデメリット…
(費用負担)専門家が後見人になる場合、生涯にわたって費用を払い続ける必要があります。
(財産活用の制限)成年後見人に財産の管理を任せるため、本人の意思に反して財産を柔軟に活用することが難しくなります。
(家族間の対立)誰が後見人になるか、後見の方針などで家族が対立する可能性があります。
~高齢者や認知症のある方の一人暮らしでは、必要な支援サービスを必要なときに受けられるよう、早めに相談窓口に相談しておきましょう(本人からも相談できます)。
(お問い合わせ) 伊佐市消費生活センター ☎23-1336
- こんな時には?















