就任挨拶 ~よろしくお願いします~
2008年12月04日
伊佐市が先月1日からスタートし、一ヵ月後の今月1日から22名の議員の方々とともに、新しい市長として就任いたしました。『隈元 新』(くまもとしん)と申します。よろしくお願いいたします。
さて、伊佐市は鹿児島県の最北端に位置し、熊本県人吉市や水俣市と県境を隣り合わせています。湧水町を経て宮崎県えびの市にも車で30分の距離です。四方の山々は緑深く、一級河川の川内川が湯の尾滝や曽木の滝の名勝を残しながらさつま町鶴田ダムへと流れます。また、美味しい伊佐米や香り高い伊佐焼酎を始め、黒毛和牛や黒豚、かぼちゃや白ねぎなど、食の宝庫でもあります。安全安心が求められる時代、すばらしい農産物や特産品をこれからもどしどし推進していこうと思います。
二つの町の合併でしたので人口は31,000人ほどですが、歴史的にも地理的にも同じような特徴を持っています。55年前までは6町村が伊佐郡として一体的な地域でしたので、今回伊佐郡が伊佐市になったと考えるのが一番わかりやすいでしょう。歴史をたどれば、菱刈重妙氏が大口にある郡山八幡神社を宇佐八幡から勧進して作ったのが1194年です。二つの町の地理的接点は多々良石と市山から針持と本城に至るまで、どこからでも行き来ができ、結婚などで移り住んだりと人々の交流も日常的なものです。 それぞれの会社や職場もまったく同じようなことが言えます。行政と議会を除いてはもうすでに時代に合った合併や集中が行われていましたので、大きな戸惑いはありません。これからも『伊佐』の一体化をさらに図りながら、名実ともにすばらしい誇るべき品格ある故郷にしたいと思います。
行政の合併は住民生活の基本的な暮らしに影響を与えます。住民情報の管理や手続きがスムーズにいくように、間違いがないようにしっかりとした行政運営が求められます。職員同士は合併前の早くから準備に入っていましたので、合併後の問題はないようです。これからもミスがないように日々研鑽しながら確認をしっかりしていかなければなりません。様々な制度や規則が国の政策変更のため、地方自治体がその変更の事務に忙殺されることが予想されます。国が決めれば自治体行政はそれを住民のために行っていかなければなりませんので、政治家や官僚にはしっかりとした制度設計や政策を作ってほしいものです。度重なる変更や追加処置は、私たち地方自治体の作業を難しくするばかりです。直 接住民と接している自治体のことを考えてほしい。合併して間もない市としてはなおさらです。
師走は文字の如く一日一日が早く、ましてや合併して間もないことからなおさらの感じがします。朝の日の出も遅く、夕方は5時ごろには薄暗くなり始めます。朝夕の冷え込みも伊佐の特徴ですが、満天の星空をひんやりとした空気の中で仰ぐのも一興です。まだ薄暗い中、曙と散歩の途中に遭遇するのは感動そのものです。伊佐に生まれて良かった、暮らして幸せですと言いたいのです。
師走といえども、忙中閑ありで暮らしたいものです。伊佐はそれができるところではないでしょうか。私のマニフェストに倉本聰さんの持論を引用 させていただきました。「エコロジー」、「エコノミー」、「カルチャー」のバランスある三脚論です。伊佐はこのような考え方でまちづくりができる資源をもち、可能性を秘めていると思います。新しいまちづくり、ふるさとづくりのために皆様の知恵とご指導やご協力をよろしくお願いします。
海潮忌凛とし残る銀杏かな
凍土とて鳥の啄ばむ水溜り
旧新を繋ぐ棒あり大晦日 ― 新 ―
- こんな時には?