暑中見舞いと届く、勇気。
2010年07月01日
暑中見舞いが届く季節になりました。還暦を過ぎた同級生からの便りに心も弾みます。「〝むかし〟というお化けには気をつけなさい。」何かの本で読んだことがあります。懐かしむことにより現実逃避することを戒めたのでしょう。青春時代のほろ苦い思い出は誰にでもあります。純粋な気持ちが全てに優先していた時代でした。便りには、紆余曲折がありながらも、一応還暦を無事に迎えられた安堵感があります。どの同級生も一番心配してくれるのは口蹄疫のことです。少ないけれどもと言いながら、わざわざお見舞いを送ってくれた同級生もいます。「消毒ポイントで頑張っている人たちに栄養剤でも」と添え書きしてあります。本当にありがとう。皆さんから勇気をいただいています。
本当に多くの方々から多くのご支援をいただきました。その中に畜産関係者も多数おられます。困っている一番の当事者なのに、私たちが一生懸命防疫に取り組んでいることへの感謝として、その気持ちを支援金という形で届けてくれました。私たちは畜産農家や産業としての畜産を守るために、当然のことをしているのです。これからも油断なく一生懸命防疫に努めます。危機的な状況に直面すると思いがけない力やお互いの連帯感が出ます。5月のこの挨拶コーナーで口蹄疫のことをお知らせしました。先月も同じようにお知らせしなければならず、今月もこのような挨拶になりました。畜産農家のご苦労やご心労も限界が近づいています。今月こそは子牛セリ市が開かれるように願っています。
梅雨に入った先月半ばからいきなりの集中豪雨でした。梅雨と言えば、昔の人は「雨七日、日七日、風七日」と言ったものです。近年そのような言葉は全く聞かなくなり、豪雨、干ばつ、竜巻や雷雨など状況が一定しないようになりました。異常気象と言えばそれまでですが、平成18年水害の記憶が、まだまだトラウマとしてあります。今年は入梅していきなり豪雨、まるで梅雨末期を思い出させましたので、今月初旬には梅雨明けを期待したいものです。紫陽花は雨に似合うと言いますし、立葵の花が茎のてっぺんまで咲き上がれば梅雨は終ると、隣のおばあちゃんは言います。俳句の季語にもなるような風情が今も昔も変わらないことを願うばかりです。
榎木孝明さん企画・製作・主演の映画「半次郎」。先月、鹿児島市内で 試写会がありましたが、すばらしい作品に仕上がっています。伊佐市が撮影のロケ地として大きな役割を果しました。「戦場や退却シーンなど伊佐市の持つ清涼な凛とした雰囲気はピッタリだった」と、榎木さんは語っておられました。主に戦いのシーンで郡山八幡神社裏の高台、野戦病院としての箱崎神社、鳥神山 中腹は錦江湾と桜島を見はらすセッティングでした。特に極めつきは奥十曽に洞窟をセットし、周辺の灌木の林を半次郎の最期の場とするシーンで、まさに映画のクライマックスでした。多くのボランティアのお陰でもあり、榎木さんを信じて協力してくださった人々のお陰であることを、映画を見ながらあらためて思い、感謝する試写会でした。
〝道標なき若者、道標になれぬ大人〟どこか現代と重なるような世相が西南の役直前の日本だったような気がします。2時間1分の映画としてはスピード感があり、薩摩の半次郎から幕末を経て出世した桐野俊秋までのストーリーも分かりやすく、下野して西南戦争へ、 そして敗残・退却しながら城山で最期を迎える。殺陣のシーンは見応えがあります。カップルで見る娯楽映画としても十分楽しめます。戦いのわりには残酷なシーンがないので青少年にも安心です。音楽が吉俣良さん、主題歌は平原綾香さんです。
伊佐市では9月の鹿児島・熊本での封切りに先駆け、9月11日(土)・12日(日)に伊佐市文化会館で6回の先行上映を計画しています。
チケットは伊佐市文化会館、市地域振興課(大口庁舎)、市地域総務課(菱刈庁舎)ほか各プレイガイド等にお問い合わせください。
口蹄疫の影響で夏祭りが中止になりましたが、本当に早く光が見えることを期待しています。夏休みに入っても行楽地に影響がでます。口蹄疫のウィルスは人や物によって運ばれることもあり、ハエからイノシシに至るまであらゆる生物を媒体とします。いったん防疫体制が解除されても、ゲリラ的にどこで発生するかわからない不安と怖さがあります。一般の人は畜産農場に近づかないこと、農場としては徹底的な防疫体制を続けることが重要です。行楽やイベントが自粛される影響で消費が落ちています。お金が世の中を回ることにより経済が活発化します。感染の危険性についてだけ注意を払いながら、できるだけ消費に結びつくような夏休みであってほしいと思います。帰省やご来訪をお待ちしております。
夕菅に 君を重ねし 月明かり
凌霄花(のうぜんか) 遊ぶ黒蝶 昼下がり
三日月や 君待つ夜の 天の川
-新-
- こんな時には?