未来を信じて〝あきらめないで〟
2011年04月01日
先月起きた東北関東の大地震・大津波、そして福島原発被災は想像を絶するもので、今でも混乱の中にあります。犠牲となられた多くの皆様のご冥福を衷心よりお祈り申し上げます。また、すべてを失うほどの被害にあわれた皆様へ心よりお見舞い申し上げます。今はまだ混乱の中ですが、「朝の来ない夜はない」、「日はまた昇る」などの言葉があるように、未来を信じて頑張ってください。
消防職員を10 名、鹿児島県隊の一員としてすぐに派遣し、私たち伊佐市としても震災一週間後にそれぞれの県へお米を3トンずつ送りました。輸送手段が厳しい中でしたが、日本通運のご協力で比較的早く送ることができました。その後も市内で募金活動を続けています。物資も毛布やタオル、衣服などを市民に呼びかけています。受け入れ住宅も市営住宅を用意したほか、民間からもご提供いただける予定です。市総務課へお問い合わせください。
募金活動を児童生徒や若者が率先して、様々なイベントや場所で行って います。田中小学校では卒業式で手渡してくれましたし、忠元公園さくら祭りの会場では、大口小学校の児童たちが募金活動や激励の寄せ書きをしていました。会場の皆さんに大きな声で呼びかける姿に、被災された方々への思いが伝わるようでした。このような活動を通じて、痛みや苦しみがわかる人間に育ち、仲間を大切にすることを学びます。伊佐の子ども達は純朴で優しいです。
伊佐市は内陸に位置しているので津波の心配はありませんが、過去にはえびの地震などもあったので、地震に対する警戒が必要です。目立って大きな活断層はないものの、油断はできません。日本列島は三つのプレートの上にある不安定な島国ですから、西日本や九州で今回のような巨大な地震が起こると影響は避けられません。薩摩川内市に原子力発電所があるので風向きや地形を憂慮しなければなりません。直線距離で原発から伊佐市役所まで47km、最も近い針持校区で40kmです。
すぐさま危険と騒ぐほどの距離ではないので、仮に想定外のことが起きたとしても冷静に行動すれば大丈夫です。それよりも、高齢者が多いまちですから、避難誘導や避難所での医療・介護のケアをしっかり考えておく必要があります。地震以外では水害が一番警戒しなければなりません。平成18年の災害から5年を経過します。「災害は忘れた頃にやってくる」と言います。あの時の水害を忘れないように、くれぐれも気持ちの準備をしておくことが重要だと考えています。
今月は災害について多くを書きましたが、新年度の始まりでもあります。
23年度の施政方針等は市ホームページでご覧いただきたいと思います。今後10年間の第1次伊佐市総合振興計画の基本構想を議会に承認していただきましたので、今年度はその基本計画に基づき、実施計画の策定に入ります。基本構想で掲げた伊佐市の目標将来像は、「大地の恵みを 人が奏でる だれやめの郷~交流と協働で奏でる 風味あるまち・むら文化~」です。
伊佐市は四方のなだらかな山々に囲まれ、その深(美)山からの豊富な 水をあつめて流れる川内川、限りなく広い伊佐平野、満天の星、そして沿道に広がる街並みなど多様な風景や風土を持ち、豊かな農村空間とコンパクトな都市機能を併せもつ「まち・むら」です。しかし、人口減少社会の中で「まち・むら」の機能を確保していくために、5つの基本的な方針を設定しました。
(1) 「市民だれもが活躍できる自治づくり」においては、市民参画や共生・協働を通じて地域コミュニティーの充実やボランティアやNPOなど相互に連携し、市民主体の活動や活性化を図ります。行財政改革も時代に合う組織や人材育成に欠かせません。
(2) 「伊佐の特性を活かす地域産業づくり」では、農林商工業や観光振興、物や心のブランド化、雇用対策など経済的な付加価値の向上を目指しながら、暮らしやすさの地域イメージも高めたいと思います。例えば、障がい児などに対する子育て支援が充実することで、安心して働くことができます。
(3) 「自然と調和した快適な生活空間づくり」では、まちとむらの機能を兼ね備えた多自然居住地域としての伊佐市を、よりいっそう快適で魅力的な空間にします。自然環境や生活環境、生活基盤や暮らしの安全のためにハード・ソフトともにバランスよく取り組みます。防災も重要になります。
(4) 「ともに支えあう明るく元気な人づくり」では、健康づくり、医療・福祉・介護や地域福祉を総合的に連携させながら、安心して暮らせるまちを目指します。予防が何より重要ですが、専門医や医療機関、救急医療体制の確保をしっかりと関係機関等へ働きかけ、専門的なケア体制を整えます。
(5) 「地域と学び未来に生かす人づくり」では、教育環境を整え、学校教育や社会教育の充実を図り、文化芸術やスポーツの振興で個性の輝く人づくりを目指します。ふるさとを誇りに思える青少年の健全育成は、新納忠元公教えの〝山坂達者〟な体力・気力から生まれます。
このような5つの基本的な方針を定めました。伊佐市としてスタートし3年目にして、今後10年間の進むべき方向づけを行ないました。3年・5年の節目で見直しながら、時代に即した歩みとしたいと思います。
新給食センターが、
震災被災地へいつも思いを持ち続け、できることをしていきたいと思います。一人じゃない、みんなが応援しています。元気を出して、未来を信じてください。「あきらめないで!」
遅咲きの 花もまにあふ 新学期
あきらめぬ 新芽若い芽 草萌ゆる
山笑ふ 負けじと僕も 笑み返す
-新-
- こんな時には?