人(ひと)おもう秋に
2011年09月01日
子ども達の元気な声が学校に戻ってきました。そこには例 年と同じような学校の風景があります。はしゃぎまわる子ども達の無垢な姿を見ながら、思いを馳せるのは被災地のことです。被災地では、震災前の学校の姿は一変し、本来の夏休み期間の途中から二学期を始めたところもあります。友達と離れ離れになっている子ども達や、被災地の厳しい環境での学校生活に思いやりの気持ちを忘れないでほしいと思います。子ども達には日々の学びや生活の中で、同じ年齢の少年少女が必死で頑張っていることを忘れないでほしいし、それを教える大人達も自分たちのこととして思ってもらえたらと願います。
夏の暑い盛りは過ぎたものの、近年の異常気象・温暖化の中で9月はまだまだ暑い日々が続きます。9月議会もクールビズのままで最終本会議まで通します。9月議会に提案している補正予算は約13億円、総額で今年度は約160億円の予算となります。主な事業内容は、曽木の滝公園の展望所を自然エネルギー学習館として建設し、観光と学びの場としたいと思います。同じように学びと遊びを創造的に行え、社会性を身につけるように、十曽で子どもの森事業を展開したいと思います。子育てに力を入れる伊佐市としての人材(指導者)の育成も行っていきます。
子牛のセリが、5月から薩摩中央家畜市場で行われるようになりました。2ヶ月に一度の伊佐でのセリ市が、毎月の開催になり、日齢や体重を考慮しながら適宜出せるようになりました。JA北さつま管内の牛が集まるので頭数も多く、2日間の開催なので全国からの購買者も増えました。先月、私も静岡や宮城など購買推進のトップセールスに行ったばかりです。購買者が増え、価格が上がることはいいことですが、優良な雌牛が高額で取り引きされ、地元に残らない状況も出てきます。産地であり続けるためには、優良な雌牛を地元に残す必要があります。これらを踏まえて、地元の生産者の事業拡大や優良な雌牛の購入に対する支援を行うための予算の拡充をします。まさに伊佐は畜産を〝地区産〟へと発展させていきます。
それぞれの地区に”和牛同好会”があるように、市民生活も16の校区でのコミュニティ活動が活性化の「核」になります。5年後10年後の将来像について協議を重ね、それぞれの振興計画書をつくっていただくための予算も計上しました。このほか、伊佐市人権教育・啓発基本計画書をダイジェスト版を含め作成する予定です。9月議会は、伊佐の特色を際立たせる補正予算を提案しました。
実りの秋に向かって伊佐の田園風景は少しずつ変わっていきます。畦のここそこに彼岸花が咲いています。一昨年の映画「半次郎」の撮影開始の頃も彼岸花が咲いていました。全国ロードショーに先駆けて地元文化会館で上映したのは昨年の今頃でした。今年はDVDの発売を記念して榎木孝明さんのサイン会が10日に「榎木孝明アートカフェ・ギャラリーひしかり」で行われます。西南の役で「ラストサムライ」の時代が終ったのは24日です。明治10年の秋は深い悲しみに包まれていたことでしょう。これを思うと、9月という月は田園風景の美しさだけではないものを感じます。
今年で3回目の人吉市との剣道親善試合を、25日の9時30分より菱刈改善センター体育館で行います。最後の大将戦は市長同士の対戦です。海音寺潮五郎財団の末富理事長よりお薦めがあり、市長同士ということになりました。剣道未経験の私にとってはこれまでも大変なことでしたし、今回も不安と困惑、複雑な気持ちで迎えることになるでしょう。人吉市とは様々な交流を通じて連携を深めています。剣道も海音寺先生が丸目蔵人を書かれたり、西南の役で野戦病院が置かれたご縁もあります。
9月は恒例の体育祭も行われます。17・18日の両日は、県民体育大会が鹿児島市を中心に行われます。伊佐チームは28種目339名の出場です。小さ な地域としてのハンディはありますが、精一杯の健闘を期待します。市内中学校の体育祭は11日、大口高校は4日、伊佐農林高校は10日開催です。 明光学園は「明光祭」として18日にバザーを兼ねて文化祭が催されます。明光学園の一番大きな行事です。前夜 祭を含めて全国から集まります。
なお、小学校運動会は来月2日、市民体育祭も来月9日開催です。
それから、伊佐の秋のイベントで忘れてならないのは、「スターダスト」です。今 年は”スターダスト2011~愛郷《あいきょう》~”として24日に轟公園で行われます。自然と人と音楽を秋の澄んだ空気の中でお楽しみ下さい。
敬老行事が19日前後に各コミュニティや集落・自治会で行われます。 家族や伊佐市発展のために尽くされた先輩の皆様へ感謝しつつ、いつまでもお元気でお暮らしいただきたいと願っております。私は10年前に父を亡くしましたが、母は87歳で元気に一緒に暮らしています。茶の間では父の生前の話題も多く、母が生きているかぎりは、父も一緒に暮らしているような気がしています。敬老の日は、ふるさとのご両親やご親族・知人にお電話などいただけると、ありがたいと思います。よろしくお願いします。
星の群れ近く大きく夜の秋
晩夏なり岬めぐりの友と会う
蟹族も街に戻りて山涼し
気がつけばいつもの畦道彼岸花
セプテンバーレインここまでにしよう悲しみは
-新-
- こんな時には?