新年度のスタートです
2013年04月01日
あわただしくスタートするのが、4月の特長です。「年度」という考え方で社会のシステムができているので、学校や官公庁は4月に始まり3月に終わります。民間企業も契約を結ぶ官公庁の会計年度に合わすところが多いようです。学校は新しい児童・生徒を迎え、先生方も新しく入れ替わったりしています。職場でも新入社員の落ち着かない初々しさが妙に魅力的に見えたりします。花吹雪の中、歓迎会でなんとか先輩社員に名前を覚えてもらおうとはしゃいだ新人時代を思い出します。今年は 桜の満開が先月で終わってしまった感があるので、お花見や歓迎会もほどほどに四月はいきなり仕事モードになりそうです。
南三陸町への派遣職員も4月1日に町長さんから辞令をいただき、震災復興のために一生懸命働く決意を新たにしたと思います。昨年から派遣しているので状況にはだいぶ慣れてきたと思いますが、環境の全く違う町で働くわけですから緊張感と少しの不安はあると思います。職員にはいつも言っていることですが、自分を必要としている人々のために働くのが人間です。伊佐市で必要とされる職員ならば、被災地ではそれ以上に必要とされるでしょう。それを誇りに感じ意気高く働けたら、伊佐市民も自分達の誇りと思うでしょう。
道半ばにして終わらないのが復興です。今まで、大規模災害から復旧・復興しなかった例はありません。阪神淡路大震災から18年になります。いろんな足りないことはあるでしょうが、ほぼ一定の水準に戻り、新しい価値観や生き甲斐のもとに人々も暮らしています。今回の東日本大震災は規模的にも内容も大きく違いますが、国民ひとりひとりが自分達のこととして考えるならば必ずその時がきます。伊佐市のような小さな自治体でも職員の自覚と誇りがあれば、それは被災地へ勇気となって伝わります。市民から支援もしていただけます。
天が与えた試練を乗り越える人間の姿は神々しくもあります。失った日常を嘆きながらも、時間の経過とともに新しい日常を作り上げていくのが人間のもつ底力です。震災後3年目に入るこの4月からの取り組みは重要です。国の被災地での復興事業の認可も 特別な配慮が必要です。この2年間で様々な制度の壁を感じている被災地です。同じ公務員としてわかりすぎていると思うので、柔軟な対応ができるように知恵を絞るなり、政治の力を発揮するなり、3年目の平成25年度が始まる4月を大切にしたいものです。
私は毎朝の習慣として1時間のウォーキングをしますが、必ず近くの郡山八幡神社にお参りし、鈴を鳴らし記帳します。この神社は1193年に菱刈重妙氏が建立しました。先日テレビの対談番組を見ていたら、「北の国から」などで知られている倉本聡さんが神様の存在や人間・社会・自然についての視点を話しておられました。オーバーワークと思うほど脚本を書いていても、疲れも感じずに思った以上の仕上がりになっていた時があったそうです。神が後ろから押してくれていたのではないだろうかと、今でも信じているとのことでした。
神は一生懸命復興しようと努力する人たちの後押しをしてくれると信じたいものです。桜の開花と終わりが早かったせいで新緑が目につくようになりました。郡山八幡神社の鳥居横のもみじの新緑はまだまだ小さいが、秋には真っ赤なもみじとなります。もみじは赤ちゃんの掌にも例えられます。被災地の季節がどんなに変わろうと何年過ぎようと、自然の移ろいと社会の変化の中で、復興への努力を続ける人たちを神様はきっと後押しし続けてくださると信じています。長い復興への道を全ての国民が理解・支援することが神の意志ではないかと思います。
南三陸町へ派遣する新しい交代の職員が4月から現地で勤務するので、被災地への思いを書かせてもらいました。伊佐市の行政も、今月各校区への行政説明会からスタートします。10日(水)が大口南中学校区、11日(木)が菱刈中学校区、16日(火)が大口中学校区、17日(水)が山野中学校区で、それぞれ13:30からの開催を予定しています。少子化の影響で小・中・高等学校の入学生が減少してきているのが気にかかりますが、伊佐市医師会立准看護学校の入学者は定員を上回ると聞きました。高齢社会となっている地方においての人材の確保は重要です。「雇用」、「若者」、「コミュニティー」を政策の前面に打ち出して今年度をスタートします。
鹿児島県の中で、長く厳しい冬を耐えて訪れる伊佐の春は、特に自然に恵まれています。数々の花や新緑だけでなく鳥の囀りや小川のせせらぎの音に心なごみます。鶯の大人びたまさに老鶯の名調子、高くて姿は見えないが雲雀のうるさいほどの囀り、新緑も木々により芽吹き方が違います。五感を刺激する伊佐の春を楽しみにぜひお越しください。菱刈鉱山の山神祭が14日です。24日には曽木の滝の小水力発電所が竣工します。気持ちよく新年度をスタートしたいと思います。
被災地へ飛ばすタンポポ友のあり
荷を降ろし四月の坂は軽くなり
滝壺に隊列崩す花筏
散る花の短き春を惜しみつつ
青空に早鯉のぼり風に乗り -新-
- こんな時には?