風薫る伊佐の大地と大空
2013年05月01日
♪やねより たかい こいのぼり・・・、♪甍の波と雲の波・・、二つの「こいのぼり」の歌があります。いずれも家の上を見上げれば、青空を鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいる光景が目に浮かびます。その姿は自信に溢れ、力強いものです。風があるから勢いよく泳ぐのであって、風がなければだらりと垂れ下がったままで元気がありません。私たちの生活も静かな凪の状態ではないので、風を受けながら泳いでいるようなものです。少子化とはいうものの、この時期になるとあちらこちらに鯉のぼりが泳いでいるので元気が出てきます。季節の風物詩としてこれほどに明るく元気で希望に満ちたものはありません。
私の二人目の孫は、昨年5月末に生まれた男の子です。熊本県内に住んでおり、5日の子どもの日に遊びに来ます。当日は湯之尾カヌー競技場でのドラゴンカップ、菱刈農村グランド駐車場でのアートトラック展、郡山八幡神社春の祭典などが行われ、イベント会場を駆け回ることになります。ゆっくりと孫と遊ぶ時間はありませんが、郡山八幡神社に奉納される棒踊りを一緒に見ることができたらいいなぁと思っているところです。質実剛健な踊りで男の子の節句を祝ってもらえそうな気がします。伝統を受け継ぐ若者の躍動感あふれる踊りは皆を元気にしてくれます。
伝統を受け継ぐとか昔話に耳を傾けるとかいうことは、ゆっくりとした時間が流れる中で味わえる気がします。インターネットの普及により世界の情報が自分の手元でほとんど知ることができます。情報を駆使して戦略的な活動ができるようになりました。時間がいくらあっても足りない毎日です。人間の一生は今も昔も人生50年、長くても二倍の100年ですが、新しい知識や行動は加速度的に増えているので、人生の中身は濃いのかもしれません。しかし、そのような日々の連続が幸せや満足かというとそうではないように思えます。ゆっくりした時間も必要ではないかと思いませんか。
昔話(民話)で良い本を紹介します。自費出版されていますが、今年度から山野コミュニティーの社会教育指導員をされている古里秀人さんの『じいじが語る~やまの昔がたり』です。構成・編集・執筆・挿絵とすべてを自ら手がけ、48ページ・16の民話を紹介しています。郷土史編纂委員だったお父様(故人)の影響と残された資料もあって、定年後帰省されてから取り組まれたそうです。私の山野中学校の一年先輩でもあります。青パト隊員として青少年健全育成や子どもたちの登下校の安全見守りもしていただいています。マジックの披露や空手の指導など文武両道で活躍されています。
先月は異動・転勤・新年度スタートということで、一ヶ月が本当に忙し く速く過ぎました。校区ごとの行政説明会、各コミュニティーや各種団体の総会、夜も懇親会や交流会がほぼ連日開催という状態でしたので、ゆっくりと落ち着いて過ごす時間がありませんでした。週末も集落ごとにお花見の案内をいただき、可能な限り出席し、市民の皆様の声に耳を傾けるいい機会でした。忙しさだけでは残るものがありませんので、今月はできるだけ余裕ある時間をつくり、読書や散策に新しい発見をしようと思います。薫風を頬に感じ、緑陰にうとうとするのも五月の魅力ではないでしょうか。
風薫る伊佐の大地と大空は自然200%、訪ねるなら「今でしょう!!」という声が聞こえてきそうです。5日のドラゴンカップ大会やアートトラックが楽しみです。伊佐平野の田んぼがひとつひとつ土が起こされ、苗箱も下旬には準備万端でしょう。先月植え付けられたか細い伊佐ネギもたいぶしっかりしてきました。遅霜の被害を受けたタバコは、好天に恵まれ急成長しています。光織りなす輝きの中で伊佐は命あふれる季節となりました。19日には5月恒例の”子どもまつり”を伊佐市総合体育館で行います。まさに命の輝きそのものです。
私の出張の予定もお知らせします。特に県外への出張はふるさと会の方々から問い合わせがあります。有難いことだと感謝しております。ふるさとは近くにあっても遠くにあっても思い入れは変わりません。宮城県南三陸町で働いている伊佐市からの派遣職員は新しいふるさとのために頑張っています。九州市長会が大分市で16日・17日開催されるので出席します。19日は大口ソロプチミスト10周年記念式典です。女性のきめ細やかさでいろんなボランティアの活動をしていただいています。鹿児島伊佐市会が25日に鹿児島市で行われます。月末の30日には姉妹都市韓国南海郡の”にんにく祭り”に出張します。命を輝かせる素晴らしい伊佐市にしましょう。
棒踊り喜神境内青葉満つ
こいのぼり夢乗せ風は南から
生きている小さきものにも風薫る
青春の輝き今も山笑う
緑陰にページめくれる午後の微風 -新-- こんな時には?