多くの出会いと交流の一年
2013年12月01日
秋が短く感じた今年も師走の風が吹く頃になりました。冷たい風の吹く中で「鬼火焚き」の櫓つくりの作業が、毎週末ごとに伊佐の田んぼのどこかで見られます。今では師走の風物詩でもありますが、集落の活動として定着しています。正月の7日に火をつけて厄祓いをしますが、近年は帰省客に合わせて正月3ヶ日にするところも多いようです。伊佐の田園風景は、今年も春先の野焼きから土起こしに始まり、次に青々とした早苗田が風にそよぐ風景にかわり、秋の黄金色に輝くまぶしさへと命が躍動しているようでした。今では稲の切り株がまるで静かな眠りを促しているように見えますが、櫓つくりの私たちはこの一年に感謝しながら締めくくろうとしています。
一年を振り返ると、新たな二期目の伊佐市が始まり、真にひとつの伊佐市として自信を持っていろんなことに取り組むことができたと思います。未来を担う伊佐の子どもたちが作詞したすばらしい市歌の披露が出来たことや、新しい人との出会いや再会があり、姉妹都市との交流も促進された印象深い一年でした。5月には韓国・南海郡で開催された「ニンニク祭り」に私が出席し、10月には「花田文化祭」(2年に一回開催)に副市長が出席しました。11月の伊佐市市制5周年記念式典では南海郡のチョン・ヒョンテ郡守やハ・ミジャ文化院長をお招きし、祝儀舞を舞台で披露していただきました。夜の懇親会ではカラオケをお互いに歌いながら交流を深めました。
姉妹都市のひとつである喜界町を訪れたのが5月の「島祭り」でした。川島町長に大変お世話になりました。そこで、沖縄県前文化スポーツ観光部長の平田太一さんの講演を聞いたことは、人生の転機になるやもしれないと思えたほどの感動でした。伊佐市で秋に開催されたイベントに喜界町からお越しくださった栄様や盛岡様に再会できたのも縁の強さを感じました。先月のホームページ挨拶でも詳細をお知らせしましたが、10年ぶりのブラジル・サンパウロ訪問で伊佐市出身の4家族に再会できたのも喜ばしいことでした。その後も喜びのお手紙をいただいたり、映画「半次郎(桐野利秋)」(榎木孝明主演)のDVDをお送りしながら、時差や距離を越えて交 流をしています。
忘れられない大切な宝物を残していただいた出会いもありました。平成27年度開校の大口中央中学校の校歌を作詞していただいた元県教育長の濵里忠宜先生がその人です。新納堯英先生のご紹介で桜島の灰が降る8月23日、森教育長と教育委員会山下総務課長と3人で濵里先生のご自宅を訪ねました。黒ぶちの眼鏡に和服姿の優しくも凛とした雰囲気の先生でした。先生が伊佐教育事務所長時代の伊佐の心象風景に、若き京都大学時代の青き心を重ね、言葉を紡いでくださったのでしょう。11月13日ご病気のために83歳を一期としてご逝去なさいました。私個人としてはお会いして83日間の一期一会でしたが、忘れられない出会いになりました。
学生時代はいつ振り返ってもいいものです。皆が現役時代はなかなかスケジュールが合わないものですが、今年は定年後の先輩や同級生がよく声をかけてくれた一年でもありました。中学の同級生との懇親会が多い中で、霧島のホテルに宿泊なさった立命館時代の下宿の先輩方からのお誘いも初めてのことでした。伊佐市への多額のふるさと応援寄付金もいただき二重の喜びで、誠に有難いことでした。ふるさと応援寄付金につきましては、今年度は本当に多くの方々からご寄付をいただいていまして、お返しの特産品が足りなくなる見込みで、年度内に追加をしなければならないほどです。
12月は師走の文字のようにあわただしく過ぎていきますが、新年の消防出初め式に向けて消防団は準備を開始しています。伊佐市消防団は規律訓練や操法に加えて、古式演舞の梯子隊の披露もあります。高見で演舞する団員、下で支える鳶隊、呼吸を合わせる消防団員の訓練にも熱が入ります。火災予防の広報活動もしながら地域を守っている団員が、年末警戒日には夜中まで警戒しています。詰所に激励していただくと元気も出ますし、意気に感じるでしょう。除夜の鐘が一年の締めくくりと新年への響きとなります。皆様の安全・安心が守られることを心よりお祈り申し上げ、ご健勝とご多幸を願いながら師走のご挨拶といたします。
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解けぬ謎利休も聞きし除夜の鐘 -新-- こんな時には?