井上雄彦さんの墨絵『承』
2014年02月27日
弥生3月はすっかり春ですね。芽吹く草木の先には可愛い蕾、花となって咲く枝もあります。俳句の季語は季節を先取りするので〝春隣り〟とか〝水温む〟は残念ながら先月なら使えたのにと思うことでした。私は早朝にウォーキングをしますが、歩く途中の水路に小さな魚影に気づくようになりました。春は命の発見の季節でもあります。
先月の県下一周駅伝大会が終わると一気に春へと季節は動きます。伊佐チームは12位ではありましたが、昨年のタイムを18分30秒も短縮し、タイム躍進3位で11位のチームに9分差までになりました。来年の大会に向けて希望が見える春になりました。3万人弱の伊佐市が倍以上の人口規模地域のチームとハンディなしの駅伝は厳しいのですが、そこにこそ市郡対抗を走る美学があるように感じます。
先月から大口ふれあいセンターで開催されている井上雄彦さんの墨絵『承』の特別公開も今月2日まで行っています。井上さんは昨年の伊勢神宮式年遷宮にご縁があり、とても感じるところがあって、『承』という墨絵を奉納なさいました。その墨絵を中心に当時のスケッチや遷宮の様子などを紹介した写真など展示されています。2月22日(土)の初日に1300人超、日曜日に1700人超と週末は3100人を超える来場者でした。26日までに5000人を超えていますので、1日・2日の週末にさらに多くの来場者ではなかろうかと期待しています。
昨年は井上さんが市内の小・中学校・高校に井上雄彦文庫としてご自身の本に加えDVDなども寄贈していただきました。ふるさと応援寄付金も鹿児島県と伊佐市にしていただいています。純粋な素直な子どもたちのあこがれでもありますので、この機会に遷宮と井上さんの『承』に込めた思いを感じてほしいと思います。昨年秋に、大口東小の5年生児童が〝井上雄彦物語〟を学習発表会の舞台で演じたほどです。『承』の公開は大宰府天満宮などの神社以外では、井上さんのふるさと「伊佐市」だけでの公開です。
3月議会の最中ですが、平成26年度の施政方針の中で、私はPHP研究所を創設された松下幸之助氏が説いた「知恵=知識×情熱+経験」を紹介しました。施政方針の全文は、市ホームページでご覧いただけますのでお読みください。松下氏は商品は役に立たなければ意味がないと言われています。行政もまさに市民の役に立つ施策を展開し、役に立つ市長や職員でなければなりません。ふるさとや人のために生きることの意味を、石川啄木と宮沢賢治の言葉を紹介しながら施政方針ではお伝えしたかったのです。子どもたちが大きくなってどこに住んでいても、伊佐市を誇りに思えるふるさとにしなければなりません。
東日本大震災復興支援のひとつとして宮城県南三陸町へ職員を派遣して 平成26年度は3年目になります。新しく派遣する職員とともに17日に南三陸町を訪問します。毎年必ず行くようにしていますので、復興していく様子がわかります。テレビや新聞・雑誌で南三陸町の名前が出ると思わず反射的に反応してしまうほどです。佐藤町長も毎年御礼を兼ねて九州を訪問され、先月伊佐市にもお寄り頂きました。新しいふるさと意識が芽生える予感がするので、時期をみて防災協定のようなものを結ぶ日が来るでしょう。
3月は卒業の季節でもあります。ふるさとをいったんは離れる若者がほとんどですが、大海を知って大いに成長して欲しいと思います。伸び代の大きい少年少女たちだから、大いに悩み、夢を語りながら魅力ある青年へとなるでしょう。3日に大口高等学校と伊佐農林高等学校、大口明光学園高等学校、5日に伊佐市医師会立准看護学校の卒業式です。市内の公立中学校4校は13日、大口明光学園中学校は15日です。小学校の卒業式は24日に予定されています。心からお祝い申し上げます。
別れの寂しさを忘れさせてくれるイベントもたくさんあるのが花の季節 の特徴です。草木の芽吹きや匂いを五感で感じながら歩くウォーキング大会や春の祭りが各地域で行われます。田中ふるさと館を中心に16日は’ウォークin田中’、9日は針持校区の’秀吉の道’ ウォークin針持、本城おきな草春まつりは16日です。忠元公園の桜まつりは30日ですが、いろんなスポーツ大会が週末ごとに行われます。8日(土)に桜まつり少年サッカー大会が忠元公園グランド、16日(日)に少年ソフトボール大会が菱刈農村グラウンド、同日バトミントン大会が市総合体育館、23日(日)にグラウンドゴルフ大会が忠元公園、26日(水)にパークゴルフ大会が菱刈パークゴルフ場で行われます。来月は、ゲートボール大会と剣道大会も予定されています。
商店街の賑わいは春の木市や’福かざり’で楽しんでください。春の木市が8日(土)と9日(日)の週末に大口商店街通りで開催されます。’福かざり’は先月23日から各店舗に飾ってあります。商工会の案内マップで商店街のお店や針持青少年センターをお訪ねいただきたいと思います。少し寒の戻りもあるかもしれませんが、梅の花から桃の花、江戸彼岸の山桜、忠元公園や曽木の滝公園のソメイヨシノまで、伊佐の自然にマッチした花景色をお楽しみください。春の街角や野や山にそれぞれの幸せを見つけてください。
旅立ちに『承』の一字子らの手に
合格を絵馬に報告手を合わす
福かざりひとつひとつに願いあり
セリ市に牛と別れの弥生かな
山桜遠くに見えて美しき -新-
- こんな時には?