師走 ~思い出から未来へ~
2015年11月30日
クリスマスソングがあちらこちらで聞こえてきます♪1月から12月までの月々の中で、一ヶ月間をたった一つのイベントに合わせた音楽で街角が覆い尽くされるのは、クリスマスソングの12月だけでしょう。バレンタインやハロウィン、お雛祭りや端午の節句等々・・街角に一ヶ月もマンスリーソングとして流れているでしょうか。12月とクリスマスソングは本当にお似合いです。オーソドックスな演奏で聴くのも雰囲気たっぷりですし、ジャズにアレンジされても粋な感じがします。オルゴールやハンドベルのやさしい音色も、この季節にはピッタリです。
私たちが聞くクリスマスソングに、比較的明るいメロディーや軽やかなリズムを感じるのは、”歳末大売り出し”と関係しているかもしれません。景気良くお歳暮の品々が売れるのを、クリスマスソングがお手伝いしているかもしれません。職場やサークルの忘年会が連日と言う人も珍しくありません。バックに流れるBGMはクリスマスソングです。戦後、これほど日本人の生活の一部になったイベントはないでしょう。今では、若者や子育て世代を中心に様々な外国のイベントが紹介されますが、「クリスマスプレゼントはサンタクロースからの贈り物」と信じたほどのインパクトはありません。
さて、クリスマスとは無縁になりますが、今月は先月26日に開会した12月議会がメインの行政運営になります。街中の賑やかさや喧騒を他所に、各課の職員は来年度予算と施策の調整に追われています。今月21日に当初予算市長一次査定をおこない、正月明けには各課の市長ヒアリングが始まり、事業や予算はほぼ決定します。財政課の職員は、仕事納め直前まで時間に追われる12月です。今年度の当初予算が約176億円でしたが、来年度は166億円を目標とするように各課へ指示しています。事業の一つ一つを精査し、見直すべきは見直し、中止や廃止も選択肢の一つであることを伝えています。委託を含むアウトソーシングの加速や経費の削減に努め、コストのかからない行政運営を目指さなければなりません。
地方創生に関連して「人口ビジョン・創生総合戦略(案)」についての質問が、今会期の一般質問にも出ると思います。これは、「伊佐市まち・ひと・しごと創生総合戦略(素案)」に基づくものになります。4月に総合戦略策定のコンサルティングを日経BP社に決定し、人口や経済分析、市民との意見交換、市民アンケート、市内3校の高校生のワークショップを数回、先進地である兵庫県豊岡市の視察などを終え、素案としてまとめています。先月半ばまでに、課長を中心とする地方創生本部会議、係長で構成する振興計画調整委員会、各市民団体の代表からなる総合振興計画審議会委員の皆様へご説明とご意見を伺っております。
人口に関して、効果的な施策の結果が出なかった場合の予測としては、25年後・45年後の人口は、他の市町村も厳しい数字になっています。伊佐市も例外ではなく、25年後の2040年(平成52年)の人口は18,000人、45年後の2060年(平成72年)では12,400人まで落ち込んでしまう予測になっています。減少していくのは避けられませんが、減少数を最小限にするための創生総合戦略が必要となってきます。総花的ではなく的を絞り、エッジの効いた戦略が必要です。交流人口の増加から定住人口を増やし、若い世代が魅力を感じてUターンやIターンをするような伊佐市にならなければなりません。
議会が中心の12月になりますが、忘年会のご案内もありがたいことに多数いただいておりますので、体調管理に心がけようと思います。今年の最後を飾るイベントは、”伊佐市ふれあい駅伝大会”が6日に開催されます。各コミュニティの精鋭が名誉と意地を賭けて競いあいますので、沿道からの熱い声援をお願いします。伊佐市は神社が多い土地ですが、各神社では年末の大掃除や新年への準備に忙しくなります。暖冬とは言うものの寒さの中での作業です。くれぐれも風邪などひかないように気をつけてください。寒くなると、南三陸町で頑張っている職員のことも気になります。雪道に慣れない南国育ちですから、チェーン装着など最初のうちは苦労するのではないかと思います。人生における経験で無駄なものは一つもないのです。それぞれが置かれた場所、立場で最善を尽くしましょう。
企業や行政などの年度末という区切りとは違う、日本人特有の一年の終わり方が、大晦日へ向けての”師走”ということになるでしょう。そこには、一年間を振り返っての達成感や反省があり、すべては思い出の引き出しに納め、除夜の鐘を聞きながら来年への誓いを新たにすることになります。この一年間、この「市長の部屋」にお立ち寄りいただきありがとうございました。来年も一所懸命・誠心誠意を胸に努力いたしますので、よろしくお願いします。穏やかな良い新年をお迎えください。
静寂を楽しむが如く山眠る
帰省子と暖炉囲みて冬休み
またひとつ星が流れる聖夜かな
忘れたき全てを忘れ除夜の鐘 -新-
- こんな時には?