春の足音
2016年02月01日
この冬は、中・長期予報では暖冬と言われていましたが、先月後半は一転して大雪となりました。40年ぶりの大雪ということで、一面の銀世界でした。交通機関もかなりの影響を受けた大雪でしたが、臨時休校になった子どもたちは、大喜びで雪だるまやかまくらつくりを楽しんでいました。個人的には、20年前まで営んでいた養鶏業時代の厳しくも懐かしい大雪の記憶をたどることでした。当時は、水俣市との県境の標高約450mの高地にあった養鶏場で仕事をしていました。市街地などの平野部が冷たい雨の時は必ず雪になり、積雪も30㎝ぐらいになることは「よくあること」でした。鶏舎の屋根の雪下ろしを月明かりの中で行ったことや、一面に広がる銀世界を懐かしく思い出しました。
今月は、3日”節分”、4日”立春”、19日”雨水”と経過していく中で、春の足音が確実に近づきます。俳句の季語も春を意味するものになります。行事や二十四節気だけでなく、最も感覚的に感じるのは日の出が早まっていくことでしょう。先月の大雪になった頃の伊佐市の日の出は7時18分でしたが、今は7時12分になり、今月はさらに早くなりつつあります。春の足音は駆け足です。ウォーキングからジョギングへということになりましょうか。”残る寒さ”と”春隣り”を繰り返しながら3月に向かいますが、くれぐれも風邪など体調にはご注意ください。特に、受験生にとっては大切な2月です。
今月の伊佐の田園風景は、先月半ばに播種した葉タバコの苗の成長を見ながら、植え付けの準備に取りかかります。トラクターによる天地返しの作業も目立つようになります。タバコを取り巻く情勢が厳しいことや、TPPの影響を心配しながらの稲作ですが、肥沃な土や冷涼な水に恵まれていることに感謝しながら、農業を振興しなければならないと決意を新たにしています。畜産農家が多い伊佐市にとって、幸いにも生産牛の子牛セリ市価格が好調ですので、稲作と稲藁、牧草との組み合わせで水田が効率的に使われています。肥育牛経営への影響も懸念されますので、国の支援と安定した相場を願っています。
今月の薩摩中央市場でのセリ市は、4・5日に予定されています。先月が510頭余りと少なかったのですが、今月は約600頭が登録されていますので、全国から購買者が来場されるように期待しています。高齢化とともに畜産農家が減少していきます。農家数とともに減少していく頭数を、中・大規模農家の増頭で補うには限界がありますので、どうしても若い次世代や新規の参入者を育てなければなりません。昨年12月に「地方創生政策アイデアコンテスト2015優秀賞」に輝いた大口明光学園高校2年生のアイデア”そん出会い、牛さあつなぎもすプロジェクト”などをヒントにしたいものです。17日は「農林業後継者励ましの会」を伊佐農林高校で行う予定です。
若い人へ期待することの一つに、男女のそれぞれの駅伝があります。先月31日の第29回鹿児島県(12)地区対抗女子駅伝競走大会は、昨年6年ぶりの10位・躍進1位でしたので、今年はさらに上位をめざして臨みました。中学生が増えてきたのが嬉しくもあり、心強く思っています。大口中央中、菱刈中、大口明光学園中、それぞれの中学生が高校生へと成長していく中で、さらに力をつけていくことを期待します。監督・コーチ・マネージャー、支えていただく関係者、何より熱い応援をいただく市民の皆様に感謝いたします。男子の鹿児島県下一周市郡対抗駅伝競走大会は、13日から17日に開催されます。3日目(15日)に伊佐を縦断します。この大会のために、厳しい練習を続けてきた選手への応援をよろしくお願いします。
女子の地区対抗や男子の市郡対抗の駅伝大会を話題にする時、12地区における競争原理とは何だろうと考えることがあります。人口50万人を超える鹿児島市と、3万人にも満たない伊佐市が同じ土俵で競うことは、常識的にはありえないはずです。一つの自治体でチーム編成するのは、伊佐市や指宿市、鹿児島市とありますが、他の9地区はそれぞれ複数の自治体が一つのチームとなります。A・B・Cとランクを分けるので、それぞれの目標と頑張りがいはあると思います。15年程前に、姶良地区の一部を伊佐地区に編入できないか、ということを伊佐チームに提案したことがあります。しかしながら、「伊佐は厳しくても伊佐の選手で走る」ということでした。3日目の郷土入りが、市民総出で盛り上がる原点がここにあるようです。
今月は先月とは違い、行政が対外的にも本格的な動きになります。私が関係しているものだけにしても、県市長会定例会及び知事との意見交換会、県後期高齢者医療広域連合運営委員会や日本赤十字社鹿児島県支部評議員会、県治山林道協会理事会、県市町村職員共済組合理事会、県国民健康保険団体連合会総会、県市町村行政推進協議会など県全体なものに加えて、姶良伊佐保健医療圏地域医療構想懇話会、姶良伊佐地区介護保険組合議会などの姶良伊佐地域に関したもの、伊佐市が事務局となる伊佐北姶良環境管理組合、火葬場管理組合、伊佐湧水消防組合、大口地方卸売市場管理組合など一部組合の議会が開催されます。伊佐市の新年度予算を審議する市議会は26日に招集です。しっかりした提案理由の説明をいたしたいと思います。
今月の伊佐市の主なイベントは、6日に旧大口南中学校を活用し整備を進めている「伊佐市総合拠点施設オープニングイベント」、7日総合体育館での「軽スポーツ大会」、同日菱刈環境改善センターで「人権を考える市民のつどい」、そして13日は、伊佐の風物詩として皆様に愛されてきた”氷の祭典”をリニューアルし、「アイスワールドin伊佐」としてふれあいセンター前で開催されます。また、26日には「九州交響楽団コンサート」が文化会館で行われ、2月も元気な伊佐市です。
春への胎動が始まりました。今年は、18年豪雨災害から10年が経過します。先月の40年ぶりの大雪も想定外でした。忘れたころにやってくることへの対応は、平時からの意識が大切だと思います。
“梅一輪一輪ほどの温かさ -嵐雪-”凛とした伊佐にふさわしい如月が私は大好きです。
鶯の歌にならねど歌いおり
鬼と福一人芝居の父がいる
伊佐の意地ピンクの襷駆け抜ける
せせらぎの勢い増したる春の雨 -新-
- こんな時には?