胸碧きまで深呼吸
2017年05月01日
「胸碧きまで深呼吸」
鯉のぼりが五月の風に気持良く大空を泳いでいます。のどかな風景です。私の早朝ウォーキングのコースにも早くから、幟に大きな文字で元気な男の子の名前が誇らしげに自己主張しています。雛飾りと違って、鯉のぼりは5日の子どもの日を過ぎても元気に青空を泳いでいます。私が俳句同人誌’天蠇通信’の会員として40歳過ぎに詠んだ、<矢車の音青空を引き寄せる>は、今でも気に入っている句です。雲ひとつない青空に、矢車が薫風を受けてカラカラと鳴っているさまを感覚的に即興で詠んだものでした。
今月は連休が続き、おおかたの学校や職場は8日の第2週から始まります。しかし、畜産に関係した農家は天気のいいうちに牧草を刈り取る仕事に追われます。農業は天気に左右されます。私が養鶏場を経営していた25年以上前の時代に比べると、天気予報の精度や情報量が格段に上がり、刈り取る機械や保存方法も進化してきています。大型機械に慣れた若い後継者がたくましく作業に精出しています。私も27歳でUターンして引き継いだ養鶏業でしたが、連休は忙しかったのを覚えています。連休を世間並みに遊びたい気持を抑えて、彼らも頑張っています。
頑張っている彼らを見かけたり出会ったりしたら、ぜひ激励してあげてください。先月植え付けたカボチャや白ネギも日に日に成長しています。日照時間の長い今の時期が品質や味に影響するので、雨の日の対策、直射日光への対策など天気と相談の毎日です。農業従事者が恵まれる社会にしなければ国家の繁栄はないと思います。食の安全や大切さが言われますが、日本の食糧自給率は低いのです。輸入に頼る食生活では世界的な異常気象による不作や、日本以外の国や地域での爆発的な人口増で、必ずしも安定的に食糧が確保されるという保証はありません。
来年から稲作の作付面積の調整を生産者自らがすることになります。今年までは国の指導に基づいて減反割合が算出されて、稲作の植え付けをしない圃場(田んぼ)にはネギや大豆、牧草や飼料用米などを栽培しています。美味しいお米の産地もそうでないところも国の決める基準に従っていました。来年からは作る自由がある反面、減少する需要に生産が過剰になり、米相場の暴落を招く危険性があります。生産者が転作への国からの交付金を今後も活用して、JAや米集荷者と相談しながら、自らの適正な生産量を決めてほしいと思います。
飼料用米やWCS(稲発酵粗飼料)は稲作と同じ作業工程で植え付けや管理ができるので、土地利用型の稲作中心の伊佐の農業には適しています。WCSはこの3年間で140haぐらいまでには広がってきましたが、飼料用米は20 haにも満たないほどです。今月16・17日に市議会の総務産業委員会が飼料用米先進地の千葉県旭市を研修されるので、農政課長を同行させる予定です。小里代議士に調整していただき、農水省の担当者からの指導も同時に研修できるとのことなので、来年への準備として願ってもない機会になります。
今月は大型連休を過ぎますと、伊佐の圃場(田んぼ)は青々とした牧草やレンゲ草の風景が一変します。1回目2回目3回目と耕運機やトラクターが田耕しを繰り返します。20日過ぎには種籾の播種も始まるので、その準備で忙しくなります。土日の週末に合わせて、都市部に住む息子さんや娘さんが手伝いに帰省されるご家庭もあるのではないでしょうか。来月の田植えに向けて刻々と時が過ぎて行きます。今月から来月への伊佐の田園風景が一日一日変わっていく様に、生きている命の躍動感を感じるのは私だけではありません。
今月のご挨拶は農業のことに集中しましたが、伊佐市の話題や私の出張予定なども少しお知らせします。
3日に菱刈農村公園で’アートトラック’のイベントが終日行われます。全国(主に西日本)各地から駆けつけてくれたアートトラックが、日没を過ぎると華麗な電飾を輝かせながら帰っていく様は見ごたえ十分です。14日に川内川上流地区水防演習を文化会館及びグラウンド橋付近の河川敷で行います。平成18年豪雨災害から11年過ぎますので、忘れた頃の災害にならないように十分気を引き締めなければならないと思います。姶良・伊佐地域の女性消防団の操法大会が21日、霧島市で行われます。伊佐市女性消防団が1位になって、秋の全国大会へ出場してほしいと願っています。応援をよろしくお願いします。
郡山八幡神社春季大祭が5日に棒踊り奉納とともに行われます。市遺族会総会が9日に元気こころ館、市PTA連絡協議会の情報交換会が13日に大口グリーンホテル、田中校区コミュニティ総会が14日に田中ふるさと館、市老人クラブ連合会総会が15日に元気こころ館で開催されます。防犯協会の総会を17日に交通安全協会で行い、今月の子牛のセリ市は18・19日に薩摩中央畜産市場です。31日になりますが、高熊山西南の役記念碑慰霊祭を立正佼正会の皆様が執り行ってくださいます。
私の主な県外への出張は九州市長会を熊本県玉名市で11・12日、九州治水期成同盟連合会総会が佐賀県唐津市で24・25日、名古屋市での東海伊佐会へ27・28日の出張となります。同じく27日に開催される鹿児島市での伊佐会総会へは副市長が出席いたします。若葉・青葉が美しい、風薫る五月です。伊佐で胸碧きまで深呼吸してみませんか。ご来訪、お帰りをお待ちしています。
鯉のぼり家族一緒に深呼吸
幟立つ皐月の空に自己主張
洗車して五月の風に君誘う
遠き夢笑いし山に励まされ
母の手のほどよい結び粽かな
風草の予測は二つ絞りあり -新鶏-
- こんな時には?