「初冬」
2017年10月31日
霜月という語感からも平成29年も残す月日が少なくなったと実感します。冷たさ寒さも日常のこととなり、僅かばかりの小春日和が嬉しくなります。英語ではインディアン・サマーと言われ、春や夏を思い出してのことと思います。今年の春から夏にかけては気温上昇が心配されましたが、結果的に東日本では冷夏、西日本は猛暑となりました。台風も伊佐平野への影響は少なく、稲の生育も順調すぎるほどでした。しかしながら、9月中旬からウンカ(虫)の被害が顕著になり、稲刈りを急ぐ農家もありました。10月第2週から秋雨前線に悩まされ、引き続き台風21号に前線が刺激されて、思うように稲刈りが進みませんでしたが、先月下旬からは遅れを取り戻すが如く農家の方々はフル回転です。
’山粧う’という季語があります。本来は秋の季語で初冬の11月での紹介はいかがなものかと思いましたが、南国伊佐の山々は紅葉やハゼの木に彩られ、まさに’山粧う’の景色となってきました。四方を山々に囲まれている伊佐盆地なので、木々がモクモクと盛り上がるように見える’山笑う’から夏の’山滴る’、そして’山粧う’を経て来月は’山眠る’となります。四季の変化をあるがままに実感でき、伊佐に住んでいることを幸せに感じます。伊佐は海音寺潮五郎先生や井上雄彦さんの文学や漫画文化、榎木孝明さんの演劇や絵画文化など花開く土壌が昔からあったのだと思います。
3日の文化の日は文化祭を楽しんでいただきたいと思います。菱刈環境改善センターでは2日から作品を展示し舞台発表は3日に行い、大口会場では展示も舞台発表も3日に行います。15年前に大口会場でお会いした先輩の言葉が忘れられません。東京からUターンして親の介護をご夫婦でなさっていました。舞台で歌い踊る催しを最後までご夫婦で観ておられましたので、感想を聞いてみると、「自分より少しでも上手な人の芸能を無料でゆっくり観れることは幸せです。東京ではこのように時間がゆっくりと楽しく過ぎていくことはありえませんでした。」とおっしゃいました。’人間の幸せとは何だろう’と自問したことを思い出します。
文化祭については毎年行われている校区もあり、大口東、羽月、羽月西、田中の4校区で5日に行われます。同じく5日は文化会館にて14時から15時まで’いさのおんがくたい’の素敵な音楽のひとときです。10日は伊佐農林高校の文化祭です。11日・12日に’伊佐ふるさとまつり’を菱刈農村公園で行います。グラウンドゴルフ大会や弓道大会、女子中学生バレーボール大会等も合わせて行い、会場は多くの人出となります。23日の湯之尾神社の神舞は伝統を受け継ぐ幼児・小中高生・成年が、篝火の中で奉納の舞いを披露しますので是非ご堪能ください。 26日は大口高校生がプロデュースする曽木の滝公園もみじ祭りで賑わいます。24日及び25日のもみじライトアップも幽玄な雰囲気を醸し出します。少し寒くなる宵ですので暖かな服装でお越しください。
大口子ども劇場のティーンズ アート フスティバルが文化会館で19日に開催されます。のびのびした子どもたちのパフォーマンスをお楽しみください。今年は海音寺潮五郎先生の没後40年記念として、歴史作家加来耕三先生の講演が25日14時から文化会館で行われますので、多くの皆さんに聴いていただきたいです。総務課長と私は今年の8月鹿児島サンロイヤルホテルのレストランで先生に偶然お会いしました。初対面なのにとても気さくな先生で、ツーショットの写真もまったく気にすることなく応じていただき、テレビやラジオでお見かけするとおりの、話しぶりも軽妙な先生でした。翌日26日が12時半よりふれあいセンターで海潮忌です。ご来場いただき菊の花を手向けていただければ有難いです。同時に文学フェスティバルも開催されますので、選者の鼎談をお聞きいただきたいと思います。
いろんな催しやイベントをご紹介しましたが、「広報いさ」の10月(15日)お知らせ版や今月1日の「広報いさ」、あるいはホームページ等でご確認ください。6日から16日までは大腸がん検診も各校区で行われますので、受診予定の方々はお忘れにならないよう、よろしくお願いします。
副市長と私の主な県外出張は、副市長が3・4日に北九州伊佐会に出席します。私は7・8日に大阪で開催の企業立地懇話会と、13・14・15日の東京での川内川改修促進期成会中央要望と九州地方国道整備促進決起大会となります。
俳句の季語では初冬の霜月です。少しずつ寒くなりますので、くれぐれも風邪などにはお気をつけていただきたいと思います。
友の顔晴れの表彰菊の花
銀杏の一人では寂し滝の茶屋
枯葉聴くジャズにシャンソン夜も更ける
ミステリー読みて眠れぬ夜長かな
秋深し聞こえる歌はリバイバル
木枯らしを楽しむ老いの日々もあり -新鶏-
- こんな時には?