「春の訪れ」
2018年02月01日
二月如月は短いという印象がありますが、年末暮れの忙しさや正月三が日を過ぎて一月のスタートダッシュに比べれば、今月は落ち着いて過ごすこともできるので、さほど短くは感じません。今月中旬からは一部事務組合を含めて議会が始まりますので、今年最初の議会に気を引き締めて臨みたいと思います。
商売の世界では「2・8(ニッパチ)」といって、あまり歓迎されなかった記憶があります。一月のようなご祝儀的な相場感がないのも一因でしょう。それでも’春隣り”春近し”日脚伸ぶ”草青む’などの季語にもあるように、春への期待感を感じます。
伊佐の田園風景を見ると、先月播種したタバコがハウスの中でだいぶ伸びてきました。まもなくマルチビニールを張った田んぼの畝に定植されるでしょう。深ネギは今が盛りと収穫され、出荷の準備に忙しいようです。豊作のためには害虫発生を防止しなければなりません。今年の冬は積雪もありましたが、先月末から毎週どこかで、地域の消防団や土地改良区などが協力しながら畦焼きが行われています。田を耕す天地返しもこの時期に必ずやっておかなければならない農作業のひとつです。
先月までは眠っていたような大地が、今月になるといっせいに活気づいてきます。農業従事者が今のところは大丈夫ですが、10年先のことを考えると不安もあります。少しでも不安を解消するために、各地域の農事座談会や集落の総会などで話し合い活動をしていただくようにお願いしています。高齢のために自分で耕作できなかったり、市外及び県外居住のために管理ができない田も増える傾向があり、土地を貸したい人が増えてきます。限られた農業従事者ではすべての伊佐の農地を管理することができない時代が予想されます。
米に頼った農業から脱却しなければと思いながらも、米を中心に作り続けています。理由は伊佐米が美味しく、売れ残らないからです。より高く売る工夫をしながらも、面積を広げて量で所得を確保してきました。これ以上作付面積を広げられるのか、安定的な米の価格が維持されるのか不安もあるので、差別化した美味しさでより高く売る努力や、米以外の高付加価値の農産物への取り組みの検討・推進等々を座談会で話題にして頂きたいと思います。幸いに生産牛(子牛生産)の相場が引き続き良いので、稲作と和牛の組み合わせの循環型農業で、若い後継者が多頭飼育に取り組んでいます。
今月の薩摩中央家畜市場の子牛セリ市は9・10日です。先月は新春初セリだったので、セリ番号により数名の購買者へ焼酎のプレゼントもありました。全国的に生産農家の高齢化で子牛が減少する傾向に懸念していますが、伊佐・薩摩には優良な子牛が多いので、価格は引き続き良好だろうと思います。農業に関しては、14日に鹿児島県青年農業者会議が文化会館大ホールで開催されます。昨年は指宿市、一昨年は鹿屋市で開催されて、それぞれの特徴ある農業経営の研修会と交流の機会になっています。伊佐の深ネギや生産牛の現地視察も予定されています。15日は将来の農林業を担う伊佐農林高等学校の生徒を励ますため、関係者が学校に集まり、「農林業後継者励ましの会」を行います。
今月は農業関連の話題が中心になりました。鹿児島の中で伊佐は寒冷地というイメージがありますが、やはり南国鹿児島ですので春の足音はもうすぐそこまで近づいています。梅が咲き、鶯の囀りもだいぶ上手になってきました。市郡対抗の県下一周駅伝大会が17日から5日間の日程で行われます。地元伊佐を通過するのは19日になります。さつま町求名から針持へ入り、西太良コミュニティセンター前で襷をつなぎ、曽木、羽月、大口西本町交差点からJA伊佐支所、警察署を右折して伊佐市役所大口庁舎前で次のランナーに繋ぎます。次の中継所の旧湯之尾駅前まで、消防署、伊佐農林高校、菱刈庁舎、菱刈中学校、湯之尾温泉街と、熱い声援を受けながら力走します。皆様の応援をよろしくお願いします。先月のことになりますが、鹿児島県地区対抗女子駅伝は皆様の熱い声援に励まされ、走りぬくことができたと思います。親子襷の実現もあり爽やかな笑顔にあふれる大会でした。
介護保険組合や消防など各一部事務組合の議会に始まり、伊佐市議会も23日に招集されます。日程の調整をしながら、県内のいろんな協議会等の理事会や評議員会などに出張することになります。主なものに、日本赤十字社鹿児島県支部評議員会と鹿児島県森林・林業振興大会が7日、第3回県市長会定例会が8日(ウェルビュー鹿児島)、鹿児島県本格焼酎鑑評会が9日(城山観光ホテル)、関東鹿児島県人会賀詞交歓会が12・13日(東京プリンスホテル)、森林整備公社理事会(林業会館)と鹿児島県治山林道協会理事会(ホテルレクストン鹿児島)が13日などを予定しています。
梅から桃、そしてまだ固いけど桜の蕾、春はもうそこまで来ているのが二月如月と言えるのではないでしょうか。伊佐は季節のメリハリがはっきりしているので命の有難さを感じます。雪が解けると春になるように、伊佐は田園風景が春の訪れを教えてくれます。伊佐でお会いするのを楽しみにしています。
新しき靴も馴染みて草青む
青年の青き旅立ち草青む
駆け抜けるピンクの襷春近し
北辰となりて永久に輝けり
定年の近し夕暮れ日脚伸ぶ -新鶏-
- こんな時には?