「伊佐米は安全」
2018年06月01日
伊佐の6月と言えば、誰もが連想するのは田植えの風景です。今年はその光景が一部で見られないことに、農家の心情を察するところ断腸の思いです。伊佐市全体の耕作面積の約2割にあたる約500haが今年の稲作を断念しました。8割の水田には例年通りの田植えが行われつつありますので、増産を含めて『伊佐米』の生産・ご提供には問題ありません。当然のことながら品質も従来通りの安全で美味しいブランド米としての伊佐米です。今回の稲作断念の地域は、川内川から井堰等の水路で水を引いている、川内川両沿岸にまとまっています。
先月末に水稲を作らない水田の扱いについて協議を行いました。今回の硫黄山の噴火による水質汚染の恐れを災害と位置付けて、転作をしない小規模農家へは農業共済での補償がひとつには挙げられます。通常の豪雨災害や台風災害なら、被害が出てから被害調査をして最大で7割の補償になります。今回の対応はブランド米の安全性を守る予防的処置として、被害を確認する従来の手法を適用せずに、7割の50%にあたる3.5割の保証をすることに決まりました。来年の稲作ができるように、市単独で若干の上乗せ助成をして、耕うんや草払いを義務付けました。
上記の条件で管理する水田がどの程度の面積になるか分かりませんが、小規模農家や湿田などを中心に増えるのではないかと思います。休耕田だけが増えても耕作者の意欲が減退し、農業魂が失われますので、飼料作物や大豆などを中心に転作を勧めます。これらの転作には国の転作制度である産地交付金の増額を要求し、市単独の助成金もある程度上乗せしようと思っています。議会の承認を必要としますので、丁寧に説明して理解を求めようと思います。250年ぶりの硫黄山噴火を、みんなで気持ちをひとつにして乗り切っていきましょう。
伊佐米というブランド米がイメージダウンしないように採った今回の判断ですので、くれぐれも否定的な風評に流されないようにお願いします。事実を確認もしないで、勝手にSNSに書き込む人がいます。軽いノリで同調する人たちもいます。水質検査や土壌検査では明らかに安全が証明されているのに、硫黄山近くの白濁した小河川の写真を使い、川内川を誤解させるようなことも見受けられました。伊佐米は全く問題のない、安全なお米であることを繰り返し申し上げたいと思います。収穫量としては計算上は2割減少となりますので、断念した地域以外の農家は、面積や作業に余裕があれば増産していただくようにお願いしています。
今月の私の挨拶は硫黄山噴火に伴う水稲作付の断念について、ブランド米としての伊佐米を守るための判断であったことを皆様にお伝えしました。これからも伊佐米を美味しく食べていただきたいと思います。伊佐平野を渡る風は爽やかです。先月26日に梅雨に入りましたが、これ以上の災害のないことを祈ります。今月もイベントや皆様に知っておいていただきたい事柄がありますので、ご紹介したいと思います。
2日はふれあいセンターで親子映画会、3日は恒例の’いさのおんがくたい種まきコンサート’が文化会館で予定されています。同じく3日に総合体育館では県北部中学校女子バレーボール大会が開催されます。10日の市制10周年記念事業講演会は、伊佐市のふるさと応援大使になっていただいた齊木由香さんによる講演です。
健康チェックとして大切な長寿健診・胃がん検診が16日から18日まで元気こころ館、19日・20日にまごし館で行われます。この5日間に必ず受診してください。田植えの頃になると高齢者も元気が出ると言われますが、日頃の検診での早期発見が長寿を約束することになります。
今月は議会が開かれていますので、私の出張も日程調整しながらということになります。東京での全国市長会のために5日の夕方から7日まで不在になります。9日の大口高校東京同窓会は副市長にお願いして、私は16日の大口高校関西支部総会へ出席します。副市長が私に代わり、姉妹都市である韓国南海郡の「第13回宝島ニンニク祭り&韓牛祭り」に1日から3日まで出張します。
冒頭お伝えしましたように、今年の稲作を一部断念しました。湯之尾取水口あたりの川内川の水質は、硫黄山噴火当初から現在まで良好な状態です。ブランド米の風評被害が起きないように、あくまでもブランド米を守る予防的処置として作付けを断念しました。『伊佐はひとつ』の気持で取り組んでいます。お互いに協力し合って今後も伊佐米の名声を高めていきたいと思います。これからも美味しい安全な伊佐米をよろしくお願いいたします。
苗代の鏡となりて山映す
雨あがり渡る青田の風涼し
山門に紫陽花咲きて雨宿り
紫陽花に問うて悩みの消えにけり
紫陽花の父の命日経を読む -新鶏-
- こんな時には?