「もうすぐ夏休み!」
2018年07月01日
私は俳句を始める前の若い頃から、半夏生という言葉の響きが好きでした。
意味など知らないで、ただ語感(半夏生)が好きだったように思います。意味を知るようになってからは季節の言葉として7月になると思い出します。昔は科学や物理などの文明の基礎となる学問はごく一部の人たちのもので、多くは季節の移り変わりや人間の動物(生物)としての変化を、経験的に感覚的に知る術を持っていたのではないかと思います。半夏生は雑節のひとつで、今年は今月2日になります。農事では田植えをこの日までに終えることを豊作の証としていたそうです。七夕(7日)までを農事休みとして疲れた体を温泉で癒し、’さなぶり’など、食べて飲んで歌って、楽しい気持ちになれる時期であったのかもしれません。
今は中核農家に田を集約し、大規模になっているので、田植えも今月の半ばごろまでは続きます。梅雨も昔は半夏生で上がると言われていたようです。先月の南日本新聞の’言葉の玉手箱’欄に紹介してありましたが、昔の梅雨は鹿児島弁で「陽なんか(七日)、風なんか(七日)、雨なんか(七日)」というものでしたので、半夏生は梅雨明けの目安だったのでしょう。異常気象や地殻変動の影響もあり、梅雨明けが昔より遅くなっていると思います。この20年間に伊佐市内及び近隣で起きた豪雨災害は出水針原、水俣宝川内、菱刈山田大山口、平成18年北薩豪雨など、すべて梅雨明け直前に起きていますので警戒しなければなりません。
私が毎朝拝願記帳する郡山八幡神社から、正面に見える鳥神山は山頂に日の丸が旗めき、左には霧島連山を遠望できます。今の時期は、かたつむりを踏まないように、蛙の合唱を聞きながら歩きます。最近は野草に興味が湧き、蓬の柔らかい新芽やたんぽぽの葉を摘み、水神様で水洗いして食べながら歩きます。少しえぐい味がしますが、西洋医学以前の日本では普通に食べ、体調を整えていたようです。これは健康法の一つだったのかもしれません。今の平均寿命とはとても比較になりませんが、ピンピンころりという不老長寿では、昔の人が幸せだったかもしれません。
毎朝歩きながら早苗の広がる水田に感謝する一方、湯之尾から曽木までの川内川両岸ではこのような風景が見れないことへの重たい気持があります。稲作に代えて牧草や野菜への転作率が76.5%まで上がり、市が提案した所得確保のひとつとしての転作を、積極的に取り組んでいただいている結果だと思っています。慣れない作業になりますが、農家同士が協力しながら頑張って欲しいです。今回、汚染の予防的処置で稲作断念された農家の皆様が、来年は必ず作れるように水質検査のデータを集積し、あとは神様へ祈り続けたいと思います。
青田風吹く伊佐の田圃は、さざ波が押し寄せているような光景です。都会では味わえない自然の風や匂いがあります。人間の体と心のバランスは人工物からは決して得られません。60兆もの細胞からなる人間の体はまさに神が創造したもので、天・地・人の見えないつながりの中で、伊佐の自然は皆さんの体と心を包みます。これから梅雨が明けて夏休みに入り、神社の六月灯や夏祭り、夜店の金魚すくい、懐かしい友との再会、庭先での線香花火など、風情のある「ふるさと伊佐」で是非お過ごしください。
伊佐市のイベント等をお知らせしたいと思います。六月灯が14日午後5時半から湯之尾神社、21日午後5時半から郡山八幡神社で行われます。伊佐市夏祭りは月末28日の午後4時から八坂神社のお囃子を先頭に、商店街を御神輿担いだ園児たち等のパレード、午後7時から市民総手踊りが大口中央商店街で賑やかに行われますので、踊り連として、観客としてお楽しみください。今月号広報’いさ’には8月に行われる各校区の夏祭りの日時・場所を掲載していますのでご覧ください。26日は老人ホーム敬寿園で納涼大会がありますので、久しぶりに皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
他の今月のイベントとしては、8日は文化会館で、市制10周年の記念事業のひとつとして、イーサキングとふなっしーのトークイベント青少年フェスティバルを行います。朝11時前には開演となります。同じく8日は大口高校の文化祭ですので、高校生の生き生きした活動を見ていただきたいと思います。14日は保護司の方々をはじめ社会を明るくする運動の皆様が総合運動公園でグランドゴルフ大会が催されます。皆様の活動に感謝いたします。22日は菱刈カヌー競技場に於いて、国体九州ブロック大会カヌースプリント競技が行われます。
昨年から特に力を入れている地元雇用説明会を、中・高校生を対象にふれあいセンターで1日に行います。専門学校や大学を卒業する時やUターンを考える場合にきっと役立つ情報です。私も27歳でUターンしましたので、彼らが帰ってくることを期待しています。7月がスタートして広域で行われる会合が目白押しです。2日は薩摩川内市で川内川改修促進期成会要望会、5日がさつま町で奥薩摩推進協議会と人吉市で肥薩線利用促進協議会、6日は出水市で南九州西回り自動車道建設促進期成会総会、7日は阿久根大島の海開きです。8日に消防操法合同練習を栗野防災センター、9日は市町村地域経済委員会が自治会館で予定されています。
10・11日は全国市長会経済委員会のため上京です。17日に公立高校生徒募集定員策定等に係る地区説明会が姶良市であります。来年度の大口高校・伊佐農林高校への受験者が増えることを願うばかりです。21日は福岡市で北部九州伊佐ふるさと会総会です。先月は長寿健診を実施しましたが、今月は肺がん健診を17日から23日まで各校区にて実施します。6月15日号の広報’いさ’に場所や日時が掲載してありますのでご確認ください。
今月の挨拶は長くなってしまいました。最後までお読みいただきありがとうございます。豪雨災害がないように、梅雨が早く明けるようにお祈りします。楽しい夏休みの計画の中に、ふるさと伊佐への帰省もよろしくお願いします。
かたつむり君には世界が広すぎる
弱き身を姉を頼りに半夏生
天の川しぶきに濡れる曽木の滝
凌霄の花に誘われ黒揚羽
六月灯巫女も宴の中におり
夏休み帰ってこいよと同級生 -新鶏ー
- こんな時には?