ふるさと伊佐の夏

2018年07月30日

　今年の夏は異常なほど暑く、先月の梅雨明けから気温は全国各地で連日40℃前後のニュースが続出しました。「命にかかわる暑さですので、十分にご注意ください」と報道で使われる言葉にその異常さが表れています。今月に入っても続くと予想されるので、くれぐれも熱中症対策を怠らないようにしてください。立秋とは名ばかりの暑い夏本番ですが、盂蘭盆会を過ぎる頃から甲子園球児の夏が終わる頃にかけては、少しだけでも秋の気配が感じられることを期待したいです。

　市制10周年としての新年度がスタートして4ヶ月、学校も1学期が終わり、1年の1/3が過ぎました。夏休みに入り、この4ヶ月を振り返ると気持は複雑です。3月議会で今年度の予算を決定していただき、4月にはさっそく各校区コミュニティ－への説明会を行ないました。21日に総工費約30億円、計画からおおよそ9年、し尿処理施設・新衛生センター「きらり館」を稼働、翌22日は県からの3億円補助によるカヌー艇庫トレーニング棟の落成式でした。大きな二つのプロジェクトの完成をお祝いしました。

　順調にスタートした新年度でしたが、霧島連山硫黄山が250年ぶりに噴火したことで、とんでもない被害を受けることになりました。4月26日に、鯉など大量の死魚が菱刈カヌー競技場に漂着したのには驚きました。噴火後に硫黄山を源流とする長江川が白濁し、強い酸性の水により死んだ魚が、えびの市の川内川上流に流れ込み漂着しました。29日には恒例の「いさドラゴンカップ」を開催予定としていましたが、水質悪化や異臭などを懸念して、開催を断念することになりました。市制10周年の新年度をスタートした伊佐市にとっては、ショッキングな光景を見せつけられた思いでした。

　5月の大型連休以降、現在に至るまでの経緯については報道等でご存じのことと思います。伊佐市を流れる川内川の水質は、環境基準値としては問題ないのですが、稲作を断念するという苦渋の選択は、伊佐米ブランドを守るための決断でした。伊佐市全体の20％にあたる約500ha・490戸の農家は、飼料牧草などの転作作物による所得確保に活路を見出しながら、現在は落ち着いてきました。夏休みに入った先月22日には菱刈カヌー競技場に於いて、カヌー・スプリント九州ブロック大会を開催できました。今月5日には「市制10周年記念いさドラゴンカップ」も開催します。川内川の水は大丈夫ですので、応援よろしくお願いします。

　風評被害をなくすのが、伊佐米を守る最も大切な活動になります。そのためにはいろんなイベントで伊佐米のPRをすることが効果的ですので、皆さんのご協力をよろしくお願いします。飲食の現場でデモンストレーションをすることも大切なので、10日（金曜日）夕方は鹿児島市東千石町の「音楽館RAIN」で、伊佐ナイトと称してお食事のお客様へ伊佐のセールスを企画しています。伊佐市夏祭りの花火大会を4日土曜日、第5回伊佐ハーフリレーマラソンが5日（日曜日）に忠元公園、同じく5日に菱刈カヌー競技場で10周年記念いさドラゴンカップ等々・・大いに伊佐米をPRしたいと思います。

　市内各校区や団体の夏祭りを紹介します。5日夜に羽月北校区の夏祭りが旧羽月北小体育館、11日が針持小学校、羽月小学校、12日に牛尾小学校、13日が平出水小学校、14日に山野小学校、15日は田中校区の夏祭りが田中ふるさと館で開催されます。16日は羽月西小学校、18日が社会福祉法人大一会の夏祭り、19日に曽木小学校、24日はジャパンファームとガーデンハウス桜ヶ丘・忠元の夏祭りが賑やかに行われます。5日から24日まで日にちを追って紹介しましたので、参考にしていただきぜひご参加ください。

　この8月、夏休みは市内外ともにいろんなイベントがありますので、ご家族やお友達と楽しいひとときを過ごす時間が多いと思います。26日の市制10周年海音寺記念「五木寛之氏講演会」は、文化会館が満席になるのではないかと期待しています。11日のふれあいセンターでの親子ふれあい映画会は、親子で夏休みのいい思い出になることでしょう。15日は正午前に伊佐市戦没者追悼式を文化会館で執り行います。16日からは市内各自治会で結核検診が始まります。今月号の市報に日時が掲載されていますのでご確認ください。17日夕方からは大口高校同窓会が大口グリーンホテルで開催されます。25日は市民のための健康セミナーを元気こころ館で開催します。

　熱中症が懸念される今年の8月です。くれぐれも健康管理に御留意されお過ごしください。立秋、盂蘭盆会、高校野球（甲子園）と移ろいながら涼しくなることを期待したいと思います。伊佐米ブランドを守るための稲作断念から学んだことは、ふるさと伊佐への熱い思いと、「ひとりはみんなのために　みんなはひとりのために」（One for All All for One）だったのではないでしょうか。