「’草⻘む’」
2019年03月01日
’草青む’の季語がぴったりの季節になりました。熊本県との県境に位置する伊佐市は、内陸型の気候で朝夕の気温がかなり下がります。先月まで早朝の気温は、半分以上の日が氷点下でした。それでも今年は例年より暖かく、マイナス6℃がこの冬の最低気温です。今月は寒の戻りはあるでしょうが、’草青む’のごとく日に日に春の気配を感じます。昨年硫黄山の噴火のために稲作を断念した川内川流域約500haの田んぼも、耕作へ向け天地返しの耕起が始まり、土手には草の青みが目立つようになりました。
3月は卒業式や退任・退職に代表されるように、別れの場面が多いので感傷的にもなり、過去には小雪が舞う卒業式もありました。海音寺潮五郎先生や井上雄彦さん、榎木孝明さんなど、文化・芸術における著名人が生まれるのも、この気候風土と無関係ではないのかもしれません。先月放送されたNHK「BS新・日本のうた」で、”♪上を向いて歩こう♪”をグループユニット斬波と一緒に歌った明光学園の生徒たちの清楚さも、伊佐の気候がそれを際立たせているかもしれません。
新年度予算を今月の議会で審議していただいています。施政方針には予算編成と合わせて6つの重点施策を掲げました。「持続性のある安全・安心なまちづくり」、「やる気と成長性を支援する産業政策」、「地域に密着した移住・定住の推進」、「魅力ある地域教育・地元進学の環境づくり」、「文化・スポーツによる地域活性化」、「業務効率化と計画的な財産管理」の内容になっています。新年度は高校総体カヌー競技の開催や学校空調設備の設置、まごし館の浴場改修など大規模な事業を予定しており、財源不足を財政調整基金から7億円取り崩す予定にしています。
施政方針や予算審議に加えて新たに議論になるのが新庁舎建設です。平成35年度に完成を予定しています。昨年3月に鹿児島大学小山雄資准教授を委員長とする伊佐市新庁舎建設委員会に諮問し、議論を重ねていただきました。11月に基本構想及び建設候補地について答申をいただき、昨年12月から今年1月10日までパブリックコメントを実施し、先月15日から市のホームページや一部の公共施設で市の考え方を付して公開しています。今後は基本構想を具体化していく議論を市民の皆様と丁寧にしていきます。
1日から10日までは、とてもすばらしい福かざりの伊佐のひな祭りです。南日本銀行近くの空き店舗をメイン会場に商店街の数カ所でご覧いただけます。 また、針持青少年センターでも同時に開催されています。中心商店街の春の市も9日10日の両日開催されますので、ぜひお楽しみください。
今年の桜の開花は早いのではないかと思います。忠元公園の夜桜提灯を21日から来月7日まで点灯する予定です。春分の日を過ぎれば暖かさも増してくると思いますので、ぜひ幽玄のひと時をお過ごしいただきたいと思います。
文化芸術的な催しについて日にちを追っていくつか紹介します。2日に’いさのおんがくたい’の音楽会(文化会館)、3日は予防医学みらい講座とJAZZコンサートを文化会館で13時30分からです(有料)。9日は親子ふれあい映画会(菱刈ふるさといきがいセンター)、14日ルピルピのおはなしあそび(大口図書館)、17日に明光学園吹奏楽演奏会(文化会館)、21日にRoyal Academy Trio Concert(インドネシア震災被害支援チャリティー)が14時開演で菱刈改善センター(有料)、23日にふれあいメルヘンひろば(大口図書館)です。
春分の日へ向かって一日の活動時間が多くなるような気がします。健康チェックや体力づくりを積極的に行うにもいい季節です。4日はまごし館で健康相談があります。これまでもお薦めしてきました元気アップポイント忠元も6日と13日(忠元公園)に18時から20時です。認知症予防について関心が高まり、認知症カフェとして26日にカフェミモザで9時半から11時半まで、28日に金波田いきいきサロンが13時から15時まで金波田自治会館で行われます。
10日は本城おきな草春まつり及び秀吉の道「ウォークin針持」、17日にはウォークin田中にて春の伊佐路を楽しんでいただき、21日の夜はDMOやさしいまち推薦の光の壁画イベント’デジタル掛け軸’が行われます。鶴田ダムの堤体をキャンパスとして描き、幻想的な風景をお楽しみいただきたいと思います。その他にも色々なイベント等が行われますので、広報紙やホームページなどをご参照ください。卒業式を終えると進学や就職でふるさとをしばらく離れる若者が多いと思います。情報ツールのおかげでいつでもふるさとの今を知ることができます。心の原点を忘れないように時々は振り返ってみてください。
まもなく平成が終わりますが、名残惜しさと新たな希望を胸に春を迎えましょう。
休耕田今年こそはと草青む
島津雨土手も青みて田の神講
福かざり今年も笑顔で迎へけり
山桜遠く愛しい人のあり
未練かな面影追ひし花の下
さよならをまた会う日まで封印す -新鶏-
- こんな時には?