梅雨に油断は禁物
2019年07月01日
7月に入ると暦の上では今年の半分が過ぎたことになります。「文月」という語感からは、近況を誰かにお便りしてみようかという気持ちになります。先月は空梅雨の傾向でしたが、梅雨の時期に油断は禁物です。気象情報等に耳を傾け十分な警戒をお願いします。
田植えも先月でほぼ終わり、か細くて頼りなかった苗が伸び始めています。やがて水面が見えないくらいに成長し、苗を揺らす風がここちよく、広い伊佐平野はまるでさざ波が繰り返し押し寄せているかのようです。四季を通して私の最も好きな風景です。
青々とした田園風景は豊かな水が潤してくれるお陰でもあります。山に降った雨が地下水となり、谷川に流れ込んだ水は川内川へ集まり、やがては曾木の滝に落ちて鶴田ダムへと流れていきます。水との縁は大切ですが、7月でひとつ懸念されるのは集中豪雨です。過去の記録からも甚大な水害は7月に集中しています。伊佐では平成18年7月20日前後の豪雨を今でも鮮明に記憶しています。土砂崩れや川及び用水路の氾濫により命を奪われた方もありました。
平成18年の豪雨被害は激甚災害に指定され、その後10年間にわたり川内川と鶴田ダムの工事が行われました。30年以上もの長年にわたり要望し続けていた曾木の滝の分水路でしたが、この事業で5年後には完成しました。一定の水量以上になると自動的に分水路へ水が分流しますので、平成18年のようなことは起きません。現実に平成23年にも似たような激しい雨で、かなりの雨量でしたが大きな被害は出ませんでした。河川改修の効果をこれほど有難く思ったことはありません。専門用語ではこれをストック効果と言うようです。
鹿児島では8・6水害と呼ばれる平成5年の豪雨が思い出されますが、その後も平成9年7月10日の出水針原地区の土砂崩れ、平成15年7月20日の水俣市久木野宝川内地区の豪雨災害など数年おきに発生し、そして平成18年に伊佐・川内川を襲った豪雨でした。集中豪雨や台風は事前の予測が可能ですので、早めの対策・対応を心がけることは当然のことですが、避難勧告や避難指示を自分のこととする市民の皆様の安全に対する意識も大切です。避難所も早めに開設して職員を配置しますので、明るいうちに、動きやすい状態の中で避難してください。
梅雨末期には集中豪雨が予想されますので、災害への意識や避難のことが今月の私の挨拶になりましたが、行政は市民の皆様の安全をしっかり守る万全の準備を怠らず、市民の皆様には災害に対する危機意識と当事者意識を持っていただきたいと思っています。
子どもたちは夏休みに入る前の一学期最後の日々です。夏休みの計画などを、ご家庭や地域で話し合われるのではないでしょうか。青少年の健全育成を願う夏休みです。夏休みも始まってしまえば過ぎていくのは早いと思います。今月のうちに十分な準備をしてください。
行事やイベントなどいくつかお知らせしたいことがあります。肺がん検診が2日の羽月地区公民館・羽月西青少年センターから始まり、10日のこころ館まで6日間続きます。詳細は市民課へお問い合わせいただくか、市ホームページや広報6月お知らせ版でご確認ください。文化会館では榎木孝明さんの朗読劇「天と地と」を7日に催します。恒例の伊佐市夏祭り市中パレードと手踊りは27日に開催されます。今年も多くの団体や企業などから踊り連を繰り出していただきます。翌日28日は忠元公園広場で恒例のハーフリレーマラソンです。熱中症対策をしっかりして暑い夏をみんなで楽しみましょう。
今月は市外でいろんな団体や協議会の総会や役員会への出席が多くなります。例えば、全国高校総体鹿児島県実行委員会総会(鹿児島市)、南九州3県県境地域医療連携懇話会(人吉市)、奥薩摩推進協議会(さつま町)、南九州西回り自動車道建設促進期成会総会(出水市)、川内川上流河川改修期成会同盟要望会(薩摩川内市)、川内川改修促進期成会(福岡・地方整備局)、九水連中央要望会(東京)、地域経済委員会(自治会館)、国保連合会理事会・総会(自治会館)、九州地方電源地域連絡協議会総会(薩摩川内市)、県造林協会役員会(自治会館)、全国高校総体総合開会式(鹿児島アリーナ)等々、ほかの月と比較にならないほど7月に集中しています。
上記以外にも重要な出張がいくつかあります。16日に特別支援学校の要望を三反園知事と東條教育長へ行います。とても重要な活動です。23日に鹿児島・城山ホテルで催される株式会社ジャパンファーム創立50周年記念式典へ出席します。伊佐市に立地している大切な企業です。月末の28日から31日まで県市長会海外研修としてベトナムを訪問します。県市長会の海外研修は前回のオーストラリアに次いで5年ぶり、2回目となります。市内の情報についてはあまり紹介できませんでしたが、市広報誌やホームページなどをご覧ください。夏休みを利用してふるさとへの帰省を楽しみにされたり、旅人としてふらり気の向くままお訪ねいただいたり、きっといい思い出になります。曾木の滝や菱刈湯之尾カヌー場、十曾渓谷など冷涼な伊佐をお楽しみください。
早苗饗に疲れ癒して湯治客
普段着のままで近くの六月灯
夏休み遠きふるさと近づきぬ
夏祭り老いも若きも輪の中に
黒アゲハ愛がこぼれる凌霄花
女あり夏帽まぶかにサングラス -新鶏-
- こんな時には?