「光あふれる神在月」
2019年10月01日
朝夕の気温が20℃を下回るようになり、早朝ウォーキングを気持ちよく楽しめるようになりました。私が自宅を出る5時半過ぎの空にはまだお星さまが輝いています。遠くの霧島連山もまだ黒いシルエットのままですが、6時ぐらいになるとはっきりとした風景を確認できるようになります。先月までの早朝ウォーキングでは、このような朝の明けゆく移ろいを感じることはありませんでした。濃紺の東の空が薄紫へと変化し、やがて東の空と山脈が橙色に覆われ、日の出を迎えるしばらくの時間は、早朝ならではの珠玉のプレゼントのように感じます。一方、17時半頃に鳥神岡あたりに沈みゆく夕日もその大きさにびっくりします。見事な朱色の輝きを放ちながら沈む様に思わず手を合わせたくなります。一日一生、感謝のひとときです。
黄金色に染まる伊佐平野は稲刈りの最盛期を迎えます。大規模の稲作農家の稲刈りは8月末から始まっていますが、一般的な農家は先月末にスタートしたようです。兼業農家は10日ぐらいから一斉に刈り取ることになるでしょう。‘ひのひかり’は今月中に、晩稲の‘あきほなみ’は来月までの収穫になるでしょう。昨年は硫黄山の噴火の影響で川内川沿いの約500haの稲作を断念しましたが、今年は最新のセンサー付き水門を設置して安全確保に努め、すべての圃場に稲作をすることが出来ました。黄金色に輝く絨毯のような風景を見ながら昨年の苦渋の判断や、その後の稲作復活への経過を振り返える時、お世話になった方々と農家の皆さんの顔が浮かんできます。
日常に何にも変化がなくて無難に過ごせるのが幸せと思うこともできますが、様々な問題や課題をいろんな方々にお世話になりながら乗りこえた時の喜びも幸せのひとつと思います。昨年から新庁舎の建設に向けて取り組みを始めました。昨年4月から鹿児島大学小山准教授のもとで建設検討委員会を立ち上げて協議を重ね、11月に基本構想の答申をいただき、パブリックコメントを経て議会へ報告し、今年度の議会に基本計画へ向けての予算を上程して準備を進めてきました。ふれあいセンター西側に建設することで、市民ワークショップを今月から12月まで4回程度開催することにしています。庁舎の位置や形状、望ましい機能など、市民の皆さんに意見を出し合っていただきたいと思っています。
菱刈庁舎も現在の地域総務課で行うサービスを基本に、いくつかの窓口業務を加えてサービスの低下がないようにします。平成から令和に時代は進み、ますます複雑・高度化する社会において、対応の迅速性や正確さが重要になり、複数の課や係が有機的に連携する必要性から、本庁方式の新庁舎建設をすることをご理解いただきたいと思います。複数の用件を一か所で済ますことが出来るのも本庁方式の良いところと思います。基本計画を今年度中にしっかりしたものにして、来年度は基本設計の段階に入り、令和3年度の実施設計を経て、令和4年度・5年度で建設工事となる予定にしています。
西洋社会は教会を町の中心として人々が集い、日本は明治以降鉄道の普及により駅(ステーション)がその中心となり発展してきました。地政学的に四方を山々に囲まれた伊佐平野のちょうど中心に、かつては薩摩大口駅として物流の中心であった所に新庁舎を建設することで、伊佐市の発展を図ろうと思います。
今月の主な行事と私や副市長の出張予定についてお知らせします。行事や催しにつきましては、市ホームページや広報‘いさ(9月15日号)’もご参照ください。
まず健康に関しては、大腸がん検診を1日~3日、7日~10日に市内一円にて行いますのでお近くの健診場所を広報紙等でご確認ください。市民体育祭は13日に陸上競技場で行います。14日は15時より文化会館においてインプロビゼーション・パフォーマンス「踊×音×光」のイベントを行います。18日は医師会立准看護学校戴帽式がふれあいセンターにて行われます。19日青少年健全育成大会兼伊佐さわやかあいさつ運動推進大会が文化会館で行なわれます。
私の県外出張については、3日・4日に茨城県で開催される国体のカヌー競技の視察や、10日・11日の佐世保市での九州市長会、12日の水俣市市制施行70周年記念式典、15日の九州地方整備局要望会、23日・24日の九州治水期成同盟会中央要望で上京などを予定しています。
副市長の主な出張は26日・27日に関東伊佐会総会で上京し、翌日28日には関東地区企業訪問となり、31日から11月2日まで姉妹都市・韓国南海郡の花田文化祭へ出張します。
主なものだけを紹介しましたが、実りの秋を願いながら様々な催しの場所を駆け回りたいと思います。‘新米のこの一粒に光あり‘の俳句を思い出しました。今月から消費税が10%に変わり、行政としても間違いのないように業務を行いながら、この1ヶ月間を注視したいと思っています。光あふれる神在月(神無月)でありますように願いながらのご挨拶とします。
運動会この日ばかりは目立つ孫
気持ちよく振りぬくドライバー高き空
秋桜母の思い出幼き日
風に揺れ薄秋桜古希集ふ
旅の宿手折りし薄山頭火
夕焼けの向こうはお浄土逢ふ日あり -新鶏-
- こんな時には?