6月20日放送の大河ドラマ「青天を衝け」に、伊佐市ゆかりの薩摩藩士「新納刑部」が登場しました!#伊佐たび
2021年06月21日
6月20日放送のNHK大河ドラマ「青天を衝け」に、伊佐市ゆかりの薩摩藩士「新納刑部(にいろぎょうぶ)」が登場しました。
「新納刑部」という名前は通称で、字(あざな)の久脩(ひさなが/ひさのぶ)、諱(いみな)の中三(なかぞう/ちゅうぞう)の名前でも知られています。
伊佐市ゆかりの武将・新納忠元の13代後の新納家当主で、現在の伊佐市大口木之氏一帯の領主でした。
※ 画像は新納刑部の先祖たちの墓がある、伊佐市大口青木・泉徳寺跡の新納家歴代墓地
番組冒頭、ディーン・フジオカさん演じる五代才助が、藤井宏之さん演じる新納刑部とベルギーで語らうシーンが放送されました。
五代才助と新納刑部がなぜベルギーにいたかというと、2人は、薩摩藩遣英使節団の一員として慶応元(1865)年3月22日(旧暦)、現在のいちき串木野の羽島港から密航しイギリスに渡った後、ベルギーを訪問しているからです。
ベルギーでは、ドラマでこの後に描かれるパリ万国博覧会の薩摩藩参加において大きな役割を果たすことになる、コント・デ・モンブラン(五代がセリフで言っていた「モンブラン殿」)と会談しています。
この使節団は、「薩摩藩英国留学生」や「薩摩スチューデント」とも総称されますが、派遣された19人のうち15人が留学生で、新納と五代、松木弘安(後の寺島宗則)、通訳担当の堀壮十郎の4人は「薩摩藩使節」の立場で、イギリスだけでなくヨーロッパ各地を視察しました。
いちき串木野市には薩摩藩英国留学生記念館があるほか、鹿児島中央駅の駅前には、薩摩藩遣英使節団19人の銅像「若き薩摩の群像」が建立されています。
新納刑部は使節団の正使(団長)を務め、視察の傍ら紡績機械等の買い付けなどを行ったほか、パリ万国博覧会参加の協議も行っています。
帰国後は薩摩藩家老を務めたほか、維新後の明治18年には大島島司となり負債に苦しむ奄美島民のため黒糖の流通改革に取り組み、島民から救世の恩人と敬慕されました。
伊佐市の泉徳寺跡 新納家歴代墓地には、刑部の妻の墓が残されています。(本人の墓は鹿児島市長田町の旧興国寺墓地に所在。)
参考資料
〇 原口泉「新納中三」(吉川弘文館、『国史大辞典』)
〇 「木之氏村」(平凡社、『日本歴史地名大系』)
〇 桐野作人「さつま人国誌397/五代友厚、薩摩から大阪へ(6)=ベルギーで貿易商社契約」(2016年1月18日付け、南日本新聞)
〇 「若き薩摩の群像」整備事業パンフレット(2020年9月、鹿児島市)
〇 桐野作人Twitter(2021年6月21日付けのツリーツイート)
〇 町田明広Twitter(2021年6月21付けでの薩摩スチューデント関係のツイート)
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