新燃岳噴火(降灰)による農作物等の被害防止対策について
2011年03月09日
★園芸共通
( ハウス )
・ハウスに灰が積もると、光線不足により同化能力が低下し、落花,結実不良、生育不良、商品性低下を生じるため除去に努める。
・ハウス内の光線透過量は、100g/㎡の積灰で約30%、200gで20%に減少する。
・ハウスに降灰があった場合は、ミスト機等による送風、動噴等による高圧散水等により除去する。
・フィルム面の除灰は高圧の散水が効果的である。(目安の水量:5kg/10㎡の降灰の場合、レインガンでは35mm/h圧で3t/10aの散水)
・粒子の大きい灰は散水で除灰できるが、微粒子は被覆面に付着し洗剤でも散水だけでは除灰は不可能なので布等でふき取る。
・降灰の除去ができない場合、サイドの開閉により温度調節する。
・被覆に使用するフィルムは、防じん性フィルムを使用する。
( 露 地 )
・降灰量が多いと土壌表面が灰により固結し、通気不良や土壌が酸性化する可能性があ
る。
・降灰が多い場合、極力ほ場外に持ち出し、作付前は十分耕起し石灰、有機物資材の施用をする。
・作物体の除灰は振動、払い落とし、散水等の方法で降灰後できるだけ早めに行う。散水の場合十分な水量を用いる。
・除灰作業に多量の水を使用する場合は、ほ場内外の排水に留意す
る。
★野菜
・作物体に付着した灰は振動、払い落とし、散水等で速やかに除去する。散水の場合十分な水量を用いる。
・育苗期又は草丈の低い野菜はトンネルにより被覆保護する。
・被害が大きい場合はまき直しする。可能ならばは種期応じて品種選定する。
・降灰被害が比較的軽い品目 → キャベツ、ねぎ、ニンニク、ラッキョウ等(葉に灰の付着が少ない特性である)
・降灰により生育、商品性低下が認められる品目 → かぼちゃ、いちご、ブロッコリー等
★花き
・育苗ハウスでは付着した灰を洗い流し、日照の透過を図り健苗を育成する。
・母株に灰が付着した場合は速やかに除灰する。
・状況によりほ場の土壌診断を実施し、土壌の酸性化を防止する。
★果樹
・降灰量が多い場合、枝折れ等が発生するので早急に樹上の火山灰を払い落す。
★茶
・茶葉は灰が付着しやすく朝霧等の水滴があると葉面や葉柄に固着するので、ほうきやブロワー等で灰を払い落とした後スプリンクラー等による散水に努める。
・摘採は茶園用除灰機や手ほうき等で払い落としてから摘採する。
・スプリンクラー等の散水施設がある茶園では散水除灰してから摘採する。
・降灰した茶園での摘採葉は生葉洗浄機等を用い洗浄除灰してから製造する。
・洗浄せずに製茶後ふるいにより灰を除去しても効果はない。
★たばこ
・育 苗 期 :ハウスのビニールに付着した灰は散水により洗い落とし、太陽光線のハウス内への透過を良好にする。
・生 育 期 :付着した灰は降灰後日数を経ると落ちにくくなるので、降灰直後に動力噴霧器で葉の表面を水で洗い落とし生育促進を図る
・収 穫 期 :収穫葉に灰の付着が目立つ場合は、水洗いし水切り後乾燥機に吊し込
む。
・乾燥・選別 :乾燥葉に残存した灰はクリーナーで吸い取った上で選別する
★畜産
( 飼料作物 )
・茎葉が枯死した飼料作物は早めに除去して追肥を行い、草の再生と回復に努める。
・酸性土壌を矯正するため石灰、有機物肥料の施用により土壌改良を図る。
( 家 畜 )
・火山灰が多量に付着した飼料作物の給与をひかえる。
・降灰により畜舎、牧柵等施設の腐食が進行する可能性があるので、これらの状況を把握し必要に応じて補修する。
降灰により農作物に被害が発生した場合は、
伊佐市役所農政課23-1311(内線2246)へ
ご連絡ください。
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