災害派遣の報告(第4陣)
2011年05月05日
役場が被災し、全ての地方行政書類、台帳が流失、庁舎職員120余名の内
40名近い職員が居なくなり、警察署、郵便局、法務局支局までも庁舎が消え、
行政機能が麻痺した、行政の指令塔を失った南三陸町への短期災害派遣に参
加申込をした時点では、はたして一職員として、こなしていけるだろうか、
足でまといとなりはしないか、食事、睡眠を含め不安がありましたが、参加
した派遣も4陣目で被災後、2ヶ月近くとなり、派遣の待遇整備も進み、被
災地での行政業務も8時から5時までの平常時間帯の行政業務支援となって
いたことや、被災地住民との行政手続きの対応補助作業であったため、一応
の支援業務は消化できたと思います。
窓口業務の支援では、戸籍、地籍、住民情報、年金情報全て、無くなった
状況下で、戸籍は再製戸籍の副本が法務局に、住民情報は委託電算会社にデ
ータ保管があり、年金情報は一元化により国にデータがあり、それぞれ役場
にあったものは消え失せたが、幸いにも複製ができ、行政事務の混乱もなく
業務を進めることができたことは、基本とする公文書関係書類の副本保管が
あったことでその必要性を強く感じました。
災害派遣が正味1週間ということで、支援補助業務に慣れかけた頃に交代
ということで、国内官庁関係者の多くの支援体制がしかれておりましたが、
いずれも1週間ほどの交代で流れており、多くの災害派遣職員が経験を積むこ
となり、派遣元の行政職員研修としての効果はあると思いますが、被災地側
行政の事務効率、派遣元の市町の経費負担を考慮すれば、難しい一面もある
かとは思いますが、数ヶ月から半年とか、一定期間の長期災害派遣が最大の
効果が生じるのではないかと思いました。
町民税務課長が話された被災にあわれた町税高額滞納者も、恩赦により課
税を落とすことになるような話し振りであったが、止むを得ない措置とはい
え、避難所生活等の極限状況を考慮すれば、表現しがたい思いにかられた。
短期災害派遣をそれなりに終えることができたのは、3陣派遣隊までの極
限の苦労や消防防災係の多大な業務努力のお陰と心中より感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。
平成23年5月
第4陣 長野 政光 愛甲 正博
大浦 浩 石塚 政博
【関連記事】
*宮城県南三陸へ第4陣出発(職員等派遣について)(4月27日)
*派遣職員「第4陣」帰庁(5月5日)
- こんな時には?