【報告】 表現・コミュニケーション能力向上講座(第2回)「世界の秘密を1つ知るための演劇ワークショップ」を開催しました。
2011年07月20日
7月10日(日)、表現・コミュニケーション能力向上講座の第2回目を開催しました。
今回は、北九州市を拠点に活動する劇団「飛ぶ劇場」代表の泊篤志さん(画像中央)を講師にお招きし、「あなたとわたしはこんなにも違う ~世界の秘密を1つ知るための演劇ワークショップ~」のテーマで、演劇のトレーニングやワークショップの手法を使って、お互いの「違い」を認識したうえでコミュニケーションを取ることについて、受講生の皆さんには楽しく触れていただきました。(参加者6名)
まず、自己紹介を行ったあと、『他己紹介』を行いました。これは、二人一組になって片方の人にインタビューを行って相手の情報を集め、相手になり代わってみんなの前でその人の『紹介』を行う、というものです。
5分間ずつお互いにインタビューしたあと、他己紹介を行いました。紹介が終わったあと、紹介を聞いていた他の受講生が質問します。当然、インタビューしていない質問も出ますが、そこはアドリブで切りぬけてもらいます。 そのアドリブに、他己紹介をしている人自身の個性もにじんで見えて、一度に二人の『個性』が見えてくる、とてもおもしろいワークとなりました。
そして、講師の泊さんから「普段の生活のコミュニケーションも、限られた情報から『相手の行間を読み取る』という意味では今回のワークと同じです。」という解説を受け、皆さん、とても納得されていました。
次に「今日、朝、起きてから伊佐市文化会館に来るまでの動作を動きだけで表現する」というワークを、一人ずつ行ってもらいました。 朝早くから草払いする人、文化会館に来る直前まで寝ていた人など、みんな同じ時の流れのなかで生活していながら、それぞれ違った『時』を生きていることを実感したワークでした。
さらに、「昨日、楽しかったこと/昨日、悲しかったこと」を作文として書いてもらい、発表するワークを行いました。それぞれ受講生の皆さんが書いた文章に、劇作家として活躍する泊さんが「このエピソードをもっと詳しく書いて」というようにアドバイスして、さらにおもしろい文章に練り上げていきます。
こちらも、とてもうれしいことがあった受講生のエピソード、とても悲しいことがあった受講生のエピソードが並んで発表され、それぞれ異なった悲喜こもごもが『昨日』という、同じ時間に起こったことを実感しました。
この二つのワークから、今回のテーマの「あなたとわたしはこんなにも違う」ということを改めて実感し、みんながそれぞれ『違う』ということをきちんと知ったうえで相手と向き合い、接することが大切だと実感できました。そして、「『違う』からこそおもしろい」という『世界の秘密』が少しだけ分かったような気がしました。
最後に、昔話『桃太郎』のお話の行間を読み取り、現代劇にして発表するワークを行いました。
これは、普通の昔話のなかでは素通りされる「桃太郎から『鬼が島に鬼退治に行く』と宣言されたときの、おじいさん・おばあさんの心情の違い」や、「『鬼が島に行こう!』と桃太郎に誘われたときのイヌ・サル・キジ、それぞれの心情」といった物語の行間を読み取って、泊さんのアドバイスのもと脚本をつくり、短い劇にして発表してもらいました。受講生の方からは「桃太郎の話が、こんなに『深くなる』とは知らなかった!」という感想が寄せられました。
参加してくださった皆さん、講師の泊さん、ありがとうございました。
【実施要項】
表現・コミュニケーション能力向上講座@第2回
『あなたとわたしはこんなにも違う
~世界の秘密を1つ知るための演劇ワークショップ~』
演劇の参加型文化体験事業(ワークショップ)を通じて、『自己表現力』を養うとともに、他者との違い(個性)を理解し認め合う『コミュニケーション能力』を育成する講座を実施します。〔講座全体の概要はこちら〕
日時 平成23年7月10日(日) 午後1時~6時(予定)
会場 伊佐市文化会館 小ホール
対 象 講座の内容に興味がある小学5年生以上の方
※ 演劇等の経験は必要ありません。
参加料 大人1,000円 高校生以下500円 ※当日徴収いたします。
福岡県北九州市を拠点に全国的に活動を展開する、劇団「飛ぶ劇場」代表。劇作家、演出家。1997年、『生態系カズクン』で第3回日本劇作家協会新人戯曲賞受賞。
1999年には、『IRON(アイアン)』が第44回岸田國士戯曲賞最終選考(6作品)にノミネートされる。
また、北九州芸術劇場の学芸ディレクターとして育成・普及事業に従事するほか、全国各地で戯曲講座・参加型文化体験事業の講師を務めている。
※画像は演劇ワークショップで指導する泊さん(画面中央)
講座のタイトル
『あなたとわたしはこんなにも違う
~世界の秘密を1つ知るための演劇ワークショップ~』
☆ 講師よりひとこと
お芝居で役を演じるとき、例えば「お父さん」という役があったとします。わたしたちは「お父さん」をどのように演じるでしょう? 新聞を読みながらお茶をすする無口なお父さんだろうか? それともビールを読みながら野球中継を見ているお父さんだろうか? 実のところ、世の中に同じお父さんは2人としていないのです。 お茶もビールも飲まない、新聞も野球も見ないお父さんだっているのです。
実際に演劇をつくりながら、そんな話ができると良いなあと思っています。
泊 篤志
準備するもの 動きやすい服装(ジャージ等)、上履き(シューズ等)、タオル、水分補給用の飲料水
申込方法 ①名前、②性別、③住所、④年齢(学年)、⑤電話番号を明記の上、FAXまたはEメ
ールで、下記申込先までお申し込みください。(電話での申し込みも可)
申込期限 平成23年7月4日(月) ※ 定員15名(先着順)
申込期限を延長しました!→平成23年7月8日(金)まで
《お申し込み・お問い合わせ先》
伊佐市教育委員会 文化スポーツ課 文化スポーツ係(伊佐市文化会館内)
電話:0995-22-6320(ダイヤルイン) FAX:0995-23-0981
メールでの申し込みはこちら
主催:伊佐市教育委員会文化スポーツ課
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